ソリューション営業とは?「古い」のは聞くだけの営業|今も通用する進め方

「ソリューション営業は古いと聞くが、今も自社に必要なのか判断できない」
「提案型の商談ができるのは一部のトップ営業だけで、組織に広がらない」
「結局は値引きで決まり、価格競争から抜け出せない」

こうした悩みを抱える、BtoB企業の営業責任者やマネジャーの方は少なくありません。提案が広がらないのは、メンバーの聞く力が足りないからではありません。仮説を立てて商談に臨む準備が個人任せになり、組織の型になっていないからです。

そこで本記事では、ソリューション営業の定義と他の営業スタイルとの違い、今も求められる理由、進め方の5ステップと必要なスキルを解説します。さらに、業界別の具体例と、組織に定着しない原因まで掘り下げます。

CLF PARTNERSは累計400社以上、3,000人以上の営業パーソンを支援し、6カ月以内の成果にコミットしてきました。属人的な営業から抜け出せずにいた企業が、営業プロセスの標準化によって3カ月で提案の質を高めた事例もあります。
⇒サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら

この記事はこんな方におすすめです

  • ソリューション営業が今も通用するのか、根拠を持って判断したい方
  • 一部のトップ営業しか提案型の商談ができず、組織に広げたい方
  • 値引き前提の商談から抜け出し、提案で選ばれる状態をつくりたい方
  • 【製造業】値下げ要求に応え続け、利益率の低下に悩んでいる方
  • 【IT・SaaS】機能と価格の比較で、競合と横並びになりがちな方

ソリューション営業とは?

ソリューション営業とは、顧客の事業課題を起点に、自社の商品やサービスを解決手段として提案する営業手法です。最大の特徴は、提案の起点が「商品」ではなく「顧客の課題」にある点です。

そのため、目的も単発の受注ではなく、顧客の成果に貢献し、継続的な取引につなげることに置かれます。一方、逆の手法とされる御用聞き営業は、顧客の要望を受けてから商品を届けるスタイルです。要望には応えられても、顧客自身が気づいていない課題には踏み込めません。

ソリューション営業と他の営業スタイルの違い

ソリューション営業と他の営業スタイルの違いは、提案の「起点」と「範囲」です。プロダクト営業が商品を起点にするのに対し、ソリューション営業は顧客の課題を起点に解決策を組み立てます。

なかでも混同されやすいコンサルティング営業は、自社商品の枠を超えて戦略立案まで踏み込みます。つまり、自社商品による解決を前提とするかどうかが両者の違いです。

5つの営業スタイルの違いは、以下の表で比較しています。

営業スタイル起点提案範囲主なスキル向く商材
プロダクト営業自社の商品商品の機能・価格・商品知識
・説明力
・汎用品
・消耗品
ソリューション営業顧客の課題自社商品を組み合わせた解決策・仮説構築力
・ヒアリング力
・課題の構造化
・IT・SaaS
・設備
・部品
・人材サービス
コンサルティング営業顧客の経営課題課題の特定から戦略立案まで(自社商品に限らない)・経営
・業界知識
・課題設定力
・コンサルティングサービス
・高額で検討期間の長い商材
インサイト営業顧客がまだ気づいていない課題・機会新しい視点の提示と変革の提案・業界の知見
・データ分析力
・示唆の提示
・市場変化の影響を受けやすい高付加価値商材
アカウント営業特定の重要顧客顧客企業全体への継続的な提案・顧客分析力
・関係構築力
・社内調整力
・大口顧客向けの継続取引型商材

「聞くだけ」の営業が通用しなくなった理由

「聞くだけ」の営業が通用しなくなったのは、顧客が事前に情報を集めるようになり、本当の課題も顧客自身が言語化できないほど複雑になったためです。ここでは、その理由を3つに分けて解説します。

顧客がWebや生成AIで事前に調べ、表面的な課題はすでに把握しているため

顧客はWebや生成AIで事前に情報を集めており、表面的な課題と一般的な解決策は営業に会う前から把握しています。そのため、課題を一から聞き出し、商品の特徴を説明するだけの商談では、顧客にとって新しい情報がありません。

実際に、BtoBの購買検討で生成AIを情報源にする買い手は、2024年の4.3%から2025年には11.7%へと約2.7倍に増えました。

SaaSの導入検討を例にとると、担当者は商談の前に、以下の3点を比較し終えていることが珍しくありません。

  • 機能
  • 料金
  • 他社製品との違い

こうした顧客に「お困りごとは何ですか」と聞くところから始める営業は、「知っている情報を説明しに来る営業」と見なされます。したがって、営業には顧客が調べた情報の先にある、個別の課題に踏み込む準備が求められます。
参考:HubSpot Japan「日本の営業に関する意識・実態調査2026」

顧客自身も、複雑化した課題の正体を言語化できていないため

顧客の課題は複雑化しており、顧客自身も「何が本当の問題か」を言語化できていません。そのため、顧客の言葉をそのまま聞き取るだけでは、的外れな提案になりやすくなります。

背景にあるのは、経営環境の変化です。中小企業白書によると、企業は以下の4つの変化に同時に直面しており、コストカットに頼る戦略は限界を迎えています。

  • 物価の上昇
  • 金利の上昇
  • 人件費の上昇
  • 構造的な人手不足

こうした環境では、課題の原因もひとつに絞れません。たとえば「売上が伸びない」という相談ひとつを取っても、原因は以下のように複数に分かれます。

  • 商談化率の低下
  • 受注単価の下落
  • 解約率の上昇

つまり、営業に求められるのは、顧客の話を聞くことではなく、絡み合った要因を整理して本当の課題を特定することです。
参考:中小企業庁「2025年版 中小企業白書の概要」

顧客は課題を聞かれることより、新しい気づきを求めているため

顧客が営業に求めているのは、課題を聞かれることではなく、自社にない視点や新しい気づきです。そのため、ヒアリングに終始する商談は、顧客にとって時間を取られるだけの場になりかねません。

一方で、営業の価値が失われたわけではありません。BtoBの購買担当者が信頼できる情報源として挙げたのは、「担当者からの個別説明」が59.8%で2位だったのに対し、「生成AIやAI検索がまとめた情報」は37.8%で最下位でした。

顧客が営業から得たいのは、自社だけでは集められない以下のような情報です。

  • 同業他社で成果が出ている取り組み
  • 顧客のデータから読み取れる示唆

このように、営業が選ばれるかどうかは、顧客自身では得られない視点を届けられるかにかかっています。
参考:HubSpot Japan「日本の営業に関する意識・実態調査2026」

ソリューション営業が求められる業界

ソリューション営業が特に求められるのは、商品の差別化が難しく、価格競争に陥りやすい業界です。中でも製造業、IT・SaaS業界、人材業界の3つは、商品を説明するだけでは選ばれにくく、顧客の事業課題に合わせた提案が必要になります。

製造業(部品・設備・素材)

製造業でソリューション営業が求められるのは、部品や設備の性能差が縮まり、値下げに応えるだけでは利益が残らなくなったためです。スペックで差がつかない以上、顧客は価格で比較するようになります。

そこで、以下の課題に対して、自社製品による改善効果を示す提案が必要になります。

  • 生産工程の効率
  • 品質の安定
  • トータルコスト

たとえば、単価が他社より高い部品でも、不良率の低下で全体のコストが下がると示せれば、価格以外の理由で選ばれます。改善効果を数字で示せれば、値下げに頼らずに受注できるようになります。

IT・SaaS業界

IT・SaaS業界でソリューション営業が求められるのは、機能の比較ではなく、業務に定着して成果が出るかどうかで製品が選ばれるようになったためです。機能や料金はWebで簡単に比べられ、説明だけでは競合と横並びになります。

そのため、以下のように提案の範囲を導入の前後まで広げる必要があります。

  • 導入前:顧客の業務フローを理解し、製品の組み込み方を設計する
  • 導入後:活用状況を確認し、成果につなげる支援を行う

たとえば営業支援ツールであれば、入力項目を現場の商談フローに合わせて設計し、導入後は活用率を見ながら運用を改善していきます。こうした支援は解約の防止にもつながり、継続率が上がるほど売上も安定します。

人材業界

人材業界でソリューション営業が求められるのは、求人を埋めるだけでは差別化できず、採用・定着・育成まで含めた提案が必要になったためです。人材紹介会社や求人サービスが増え、紹介できる人材の数や質では違いを出しにくくなりました。

加えて、求人依頼の裏には、顧客が言語化できていない組織の課題があります。たとえば「営業職を1名採用したい」という依頼の背景には、以下のような課題が考えられます。

  • 若手の早期離職
  • 育成の仕組みの不在
  • 特定の社員への業務集中

ここまで聞き出せれば、採用に加えて定着や育成の支援も提案でき、取引の幅が広がります。求人依頼をきっかけに組織の課題まで把握できるかどうかで、競合との差がつきます。

ソリューション営業を導入するメリット

組織としてソリューション営業を導入するメリットは、チームの売上が値引きに左右されなくなり、1社あたりの売上と取引期間が伸びることです。主なメリットは以下の4つです。

  • 価格ではなく提案内容で選ばれる:他社と横並びで比べられず、値引きを防げる
  • 受注単価と継続率が上がる:提案の範囲が広がり、導入後の成果が更新の理由になる
  • 顧客と長期的な関係を築ける:取引が担当者個人ではなく会社に紐づく
  • 顧客の意思決定に早い段階から関われる:要件が固まる前から関わり、自社に有利な条件で比較される

一部のトップ営業だけでなくメンバー全員が課題を起点に提案できれば、利益率と売上の見通しがともに安定します。

ソリューション営業の進め方5ステップ

ソリューション営業は、仮説の構築から導入後の検証までの5つのステップで進めます。ただし、各ステップを担当者の経験に任せると、提案できるのは一部のトップ営業に限られます。組織に広げるには、ステップごとに使うシートや確認項目、必要なスキルの鍛え方をそろえ、誰が担当しても同じ水準で進められる状態をつくる必要があります。

ステップ1:顧客情報を調べて課題の仮説を立てる

ステップ1では、商談の前に顧客の情報を調べ、相手が抱えていそうな課題の仮説を立てます。担当者は決算資料やニュースリリース、業界の動向を確認し、商談で確かめる論点を事前に決めておきます。

ただし、調べる範囲や仮説の書き方が担当者ごとに異なると、準備の質にばらつきが出ます。そこで組織としては、以下の項目をそろえた仮説シートを用意します。

  • 顧客の事業構造と業界での立ち位置
  • 業界共通の課題
  • 顧客固有と考えられる課題
  • 商談で確認する質問

たとえば製造業の顧客であれば、業界共通の「人手不足」に加えて、設備投資の状況から「自動化の遅れ」を固有の課題として仮説に置きます。

このステップで必要なのが、限られた情報から課題を予測する「顧客分析と仮説構築力」です。商談前に仮説を書き出させ、商談後に当たり外れをマネージャーと振り返る習慣をつくれば、個人の勘に頼っていた準備が組織の知見になります。

支援先で「商談前に仮説を立てましょう」と言うと、ほぼ必ず「そんな時間はない」と返ってきます。ただ、商談がうまくいかない一番の原因は、アポの数ではなく準備不足なんです。私たちは企業情報や業界の動きをAIで先に整理して、営業は仮説を考えることに時間を使うようにしています。調べる時間を削って、考える時間を残す。準備はこの順番で変えるのが現実的です。

ステップ2:ヒアリングで仮説を検証し、課題を深掘りする

ステップ2では、ヒアリングで仮説が合っているかを確かめ、課題の背景まで掘り下げます。担当者の役割は、仮説を顧客に示して反応を見たうえで、その状態になっている理由を質問で深めていくことです。

一方で、質問の内容を担当者に任せると、聞き漏れが起きやすくなるのが難点です。そのため、組織としては以下の5つの観点を共通のヒアリング項目に定めておく必要があります。

  • 役割とミッション:担当者の目標と責任
  • 達成への障壁:目標達成を妨げている要因
  • 影響度:課題による時間やコストの損失
  • 現状の対応策:すでに試した施策と効果
  • 改善ニーズ:理想の状態と現状の差

このステップで必要なのが、顧客自身が言語化できていない課題を引き出す「ヒアリング力」です。たとえば「倉庫の人員を増やしたい」という相談に、「出荷ミスの手戻りで人手が足りなく見えているのでは」と仮説を示せば、話は増員から作業工程の見直しへ進みます。

チームで商談の録音を聞き合い、成果を出すメンバーの質問の順番を共有すると効果的です。

ステップ3:解決すべき課題の優先順位を顧客と合意する

ステップ3では、ヒアリングで見つかった課題のうち、どれから解決するかを顧客と合意します。担当者が行うのは、課題を一覧にして示し、影響の大きさと解決のしやすさを顧客と一緒に評価することです。

この合意を飛ばすと、営業と顧客の優先順位がずれたまま提案が進み、提案の段階で差し戻されかねません。そこで組織としては、以下の判断基準を統一しておくことが欠かせません。

  • 売上や利益への影響額
  • 解決までにかかる期間
  • 顧客社内で関わる部署の数

このステップで必要なのが、聞き出した情報を原因と結果に整理する「ロジカルシンキング力」です。

たとえば「営業が忙しい」「受注が減った」「若手が辞める」という悩みも、整理すれば「育成の仕組みがなく若手が辞め、残った営業に業務が集中して受注が減っている」という1つの構造で説明できます。ヒアリング内容を「課題・原因・影響」の順に1枚にまとめさせ、マネージャーが論理のつながりを確認しましょう。

ステップ4:解決策を設計し、投資対効果を数値で示す

ステップ4では、合意した課題に対する解決策を設計し、投資に見合う効果を数値で示します。担当者は自社の商品やサービスの組み合わせを考え、導入までの手順と期待できる成果を提案書にまとめます。

決裁者が判断の材料にするのは、投資額に対してどれだけの効果が出るかです。そのため、提案書には以下の数値を必ず入れるよう、組織で型を決めておきます。

  • 期待できる効果(コスト削減額や売上の増加率)
  • 投資を回収できる期間
  • 導入の手順と各段階の期間

たとえば「年間約1,000万円のコストを削減」「初期投資は半年で回収」と示せば、決裁者は社内で稟議を通しやすくなります。

また、提案から受注までの間には、以下の3つのスキルが求められます。

  • プレゼンテーション力:結論と決めてほしいことを先に伝え、決裁で止まらせない
  • 反論処理力:「予算がない」などの懸念に、放置した場合の損失額を示して応える
  • 交渉力:値下げを求められても、導入範囲や時期など価格以外の条件で調整する

いずれもマネージャーが顧客役となるロールプレイで鍛えられ、値引きの承認前に価格以外の調整案を出させる運用も効果的です。

ステップ5:導入後の成果を検証し、次の課題を見つける

ステップ5では、導入後に成果が出ているかを検証し、そこから次の課題を見つけます。担当者の仕事は、提案時に示した数値と実績を比べ、差があれば原因を調べて改善策を提案することです。

受注で活動を終えてしまうと、成果が出なかった場合に解約につながり、次の提案の機会も失いかねません。そこで組織としては、以下のように検証の時期を事前に決めておくことが大切です。

  • 導入1カ月後:運用が定着しているかの確認
  • 導入3カ月後:提案時の数値と実績の比較
  • 導入6カ月後:次の課題の洗い出し

たとえば設備の導入後、稼働率が想定より低い原因が段取り替えの手順にあると分かれば、手順の見直しが次の提案になります。検証の時期を決めておけば、担当者によってフォローの有無が分かれることもなくなります。

ソリューション営業の具体例

ソリューション営業で成果を出している企業に共通するのは、顧客の要望をそのまま受け取らず、その裏にある課題から提案を組み立てている点です。さらに、その進め方を個人の力量に任せず、組織の仕組みとして回しています。ここでは、製造業・人材・ITの3つの事例を紹介します。

【製造業】キーエンス|顧客の「欲しい」ではなく、潜在ニーズから提案する

キーエンスは、顧客が言葉にできない現場の困りごとを営業が集めて開発部門に共有し、潜在ニーズを起点にした製品と提案で高収益を上げています。

内容
課題顧客の要望を聞くだけでは、競合と似た製品・提案になる
取り組み営業が拾った現場の困りごとを「ニーズカード」で開発部門に共有し、KPIと報奨で定着させた
成果売上高営業利益率50%前後の高収益を実現

ポイントは、営業が現場で得た情報を担当者の商談だけで終わらせず、会社全体の提案力に変えている点です。同じ仕組みをまねても、日々の業務に組み込まなければ情報は集まらず、形だけで終わる企業も少なくありません。

営業の気づきを組織で回収する流れがあれば、トップ営業だけが持っていた顧客理解をチーム全体で使えるようになります。

【人材】UTグループ|派遣人数ではなく、「生産移管と雇用維持の両立」を提案した

UTグループは、生産の海外移管と雇用の維持に悩む製造業の顧客に対し、従業員を再雇用して工程ごと請け負う仕組みを提案し、2つの課題を同時に解決しました。

内容
課題顧客が「海外への生産移管」と「雇用の維持」の両立に悩んでいた
取り組み前工程を関連会社に移管し、退職した従業員をグループ会社で再雇用して後工程を請け負った
成果国内生産の存続と雇用の維持を同時に実現

ポイントは、派遣人数という自社の商品から考えず、顧客の経営課題から逆算して提案を組み立てた点です。「何人必要ですか」と聞く営業では、工場の閉鎖を検討している顧客から相談を受けることすらできません。自社の商品の枠を外して考えたからこそ、人数や単価で競合と比べられない取引につながりました。

【IT】サイバーコマンド|属人的な営業をプロセスで標準化し、提案の質を高めた

サイバーコマンドは、担当者任せだった新規開拓の営業を、ターゲット選定からクロージングまでの共通プロセスに落とし込み、3カ月で提案の質を高めました(CLF PARTNERSの支援事例)。

内容
課題新規開拓の一貫した方法がなく、営業が属人的だった
取り組み業界特有の商流と購買プロセスを踏まえ、ターゲット選定からクロージングまでのプロセスを設計し、実行まで伴走した
成果3カ月で提案の質が向上し、若手の教育にも活用

ポイントは、営業プロセスを一般的な型に当てはめるのではなく、自社の業界に合わせてつくった点です。どの企業にも通じる手順書を渡すだけでは、現場は使わずに元のやり方へ戻ってしまいます。さらに、定期的な振り返りで現場の声を反映し続けたことで、担当者が変わっても使われ続けるプロセスになりました。

営業の型をつくって「これでやってください」と渡しても、まず浸透しません。現場にとっては、慣れた今までのやり方のほうが楽だからです。なので私たちは商談に同行して、その型で実際に売って見せるところまでやります。目の前で受注が決まるのを見ると、現場の受け止め方がまるで変わります。

属人的な営業を、組織の型に変えたいとお考えではありませんか? CLF PARTNERSは、営業戦略の策定から現場での実行、仕組み化まで一貫して伴走し、6カ月以内の成果にコミットする営業コンサルティングを提供しています。自社の業界や商流に合わせた営業プロセスを、現場で使われる状態までつくり込みます。
⇒サービス紹介資料の無料ダウンロードはこち

ソリューション営業が組織に定着しない原因

ソリューション営業が組織に定着しない原因は、営業個人・営業組織・商品の3つの層に分かれます。研修をしても現場が元に戻るのは、いずれかの層に原因が残っているためです。ここでは、層ごとに典型的な原因を解説します。

営業個人:仮説を立てる準備の型がない

営業個人の層で定着しない原因は、商談前に仮説を立てる手順が決まっておらず、準備の中身が担当者の経験に任されていることです。研修で「仮説を持って商談に臨む」と学んでも、何を調べ、どこまで考えればよいかが分からなければ、日々の業務に追われて準備は後回しになります。

その結果、現場では以下のような状態が起こります。

  • 商談の直前に顧客のWebサイトを眺めるだけで終わる
  • 仮説を立てても、頭の中にあるだけで記録に残らない
  • 経験のある営業とない営業で、準備の質に大きな差が出る

たとえば、トップ営業が無意識に業界の動向や決算情報から論点を絞っていても、そのやり方が言葉になっていなければ、ほかのメンバーは真似できません。つまり、準備の型がない限り、ソリューション営業は一部の営業だけのスキルにとどまります。

営業組織:評価とマネジメントが商品販売型のままになっている

営業組織の層で定着しない原因は、評価の基準とマネージャーの管理方法が、商品を売る営業のままになっていることです。現場にソリューション営業を求めても、評価されるのが短期の受注だけであれば、メンバーは手間のかかる提案より、早く決まる値引きを選びます。

たとえば、以下のような運用が残っている組織は注意が必要です。

  • 評価指標が受注件数と訪問件数だけになっている
  • 商談の確認が、受注の見込みと金額の報告で終わっている
  • 値引きの承認が、理由を確認せずに通っている

この状態では、課題を深掘りした商談も、商品説明だけの商談も同じ扱いになります。したがって、メンバーの行動を変えるには、個人の意識よりも先に、マネージャーが何を見て何を評価するかを変える必要があります。

支援先でよく見るのが、トップ営業だった人がマネージャーになって、難しい商談を全部自分で引き受けてしまうケースです。チームの数字は守れても、メンバーは課題を深掘りする場面を一度も経験できません。本人は良かれと思ってやっているので、周りに言われるまで気づかないことが多いんです。多少の失注は覚悟してでも任せたほうが、長い目で見ればチームの提案力は上がります。

商品・サービス:提案で語れる独自の価値が整理されていない

商品・サービスの層で定着しない原因は、自社の商品が顧客のどの課題をどう解決するのかが、組織として整理されていないことです。営業がいくら課題を聞き出しても、自社の商品と結びつけて語れなければ、最後は機能と価格の説明に戻ります。

特に、以下の情報が社内にまとまっていない企業では、提案が担当者ごとにばらつきます。

  • 自社の商品で解決できる顧客の課題
  • 導入によって得られた効果の実績
  • 競合と比べたときに選ばれる理由

たとえば「処理速度が速い」という機能も、「月末の締め作業が2日短くなる」と顧客の成果に言い換えられていれば、価格以外の理由で比較されます。つまり、商品の価値を顧客の言葉で整理しておかない限り、営業の努力だけで価格競争から抜け出すことはできません。

ソリューション営業の成果を分ける「QDRモデル」

ソリューション営業で成果を出すチームとそうでないチームの差は、「QDRモデル」の3要素で説明できます。QDRモデルとは、営業の成果を「量・深さ・応答」の掛け算で捉え、案件が止まっている箇所を特定する、CLF PARTNERS独自の実務フレームです。

約35社・935名の支援現場でトップセールスの行動を分析したところ、「量×深さ」の二軸では説明できない高成果者が見つかりました。そこで3つ目の軸に「応答」を加えたのが、このモデルです。

要素内容弱いと起きること
Q(Quantity)量仮説を持って顧客と接する有効行動の量仮説を試す機会が足りず、勝ち筋を学べない
D(Depth)深さ顧客の課題をどこまで掘り下げられるか要望の奥まで捉えられず、価格比較から抜け出せない
R(Response)応答顧客の反応を次の提案に反映し、完了まで閉じる力提案が行動に変わらず、顧客の意思決定が止まる

ソリューション営業の中核はDですが、3つは掛け算の関係にあるため、Dだけを鍛えても成果にはつながりません。実際に、ヒアリング研修に力を入れた結果、商談数が減り、提案後の連絡も遅れて、かえって受注が落ちるケースがあります。

したがって、マネージャーはチームのQ・D・Rを並べて見て、最も低い要素から手をつける必要があります。

自社の営業チームは、Q・D・Rのどこで止まっていますか?

「営業戦闘力診断」は、全50問でチームの営業力を5つのフェーズごとに可視化する無料診断です)。まずはメンバーと受けてみて、最初に手をつけるべき弱点を確かめてください。

ソリューション営業に関するよくある質問

ここでは、ソリューション営業の導入を検討するマネージャーから多く寄せられる質問に回答します。

ソリューション営業に切り替えると、短期的に売上は落ちる?

移行期は、一時的に売上が落ちることがあります。

課題の把握や提案の準備に時間がかかり、商談期間が延びるためです。そこで、すべての商談を一度に切り替えるのではなく、重点顧客から段階的に移行すれば、売上の落ち込みを抑えられます。切り替え後は受注単価と継続率が上がるため、短期の数字だけで判断しないことが大切です。

ソリューション営業の成果は、どのKPIで測ればいい?

受注額に加えて、プロセスと質の指標で測ります。

受注額だけでは、提案の中身が改善しているかが見えないためです。具体的には、以下の指標を組み合わせます。

  • 商談化率
  • 提案通過率
  • 受注単価
  • 継続率

プロセスの数字を追えば、どの段階で提案が止まっているかを早くつかめます。

ソリューション営業がきついと言われるのはなぜ?

商談前の準備の負荷と、顧客の課題に答えを出すプレッシャーが大きいためです。

商品を説明する営業と比べて、1件ごとに調べて考える量が増え、仮説が外れれば準備もやり直しになります。ただし、この負担の多くは準備を個人に任せていることから生まれます。準備の型や顧客情報を組織で共有すれば、負担は大きく減らせます。

ソリューション営業に向いている人の特徴は?

相手の話に「なぜ」を重ねて考えられ、仮説が外れても柔軟に修正できる人です。

顧客の要望をそのまま受け取らず、その背景まで考える姿勢が提案の質を左右します。ただし、向き不向きだけで人選する必要はありません。準備やヒアリングの手順がそろっていれば、経験の浅いメンバーでも身につけられるスキルです。

自社の営業にソリューション営業が合っているか、どう判断すればいい?

課題が営業個人・営業組織・商品のどこにあるかを切り分けてから判断します。

原因によって、必要な対策が変わるためです。たとえば、商品に語れる独自の価値がなければ、営業の手法を変えても価格競争からは抜け出せません。まずは原因の所在を確かめ、そのうえで営業のやり方を変えるべきかを判断してください。

まとめ|ソリューション営業は「個人の才能」ではなく「型と仕組み」で定着させよう

 ソリューション営業は、一部のトップ営業の才能に頼らず、組織の型と仕組みにして初めて成果につながります。通用しなくなったのは課題を聞くだけの営業であり、仮説を持って課題に踏み込む営業の価値はむしろ高まっているからです。

 本記事では、定義から進め方の5ステップ、必要なスキル、具体例、定着しない原因までを解説しました。なかでも重要なのは、研修だけで終わらせないことです。原因は営業個人・営業組織・商品のいずれかにあり、切り分けずに手を打っても現場は元のやり方に戻ります。

 まずはチームの提案がどこで止まっているかを特定し、影響の大きいところから手をつけてください。 CLF PARTNERSは、累計400社以上・3,000人以上の支援実績と6カ月以内の成果コミットで、営業を「組織で再現できる仕組み」へ変える支援を行っています。
⇒サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら

営業の悩みをプロに相談してみませんか?

営業組織を変えたい、商談化率や成約率を向上したいという方はお気軽にCLF PARTNERSへご相談ください。


この記事の監修者

CLF PARTNERS株式会社
代表取締役社長 松下 和誉

大学卒業後、大手総合系コンサルティングファームに入社。最年少で営業マネジャーに就任。中小企業から大手企業まで幅広くコンサルティング業務を実施。また、文部科学省からの依頼を受け、再生機構と共に地方の学校再生業務にも従事。 その後、米Digital Equipment Corporation(現ヒューレットパッカード)の教育部門がスピンアウトした世界9ヵ国展開企業のJAPAN営業部長代行として国内の最高売上に貢献。 現在は関連会社12社の経営参画と支援を中心に、グループの軸となるCLF PARTNERS㈱ではVC出資ベンチャー企業、大企業の新規事業の支援に従事
公式Xアカウント:https://x.com/clf_km


前の記事
一覧へ戻る
次の記事