営業組織全体で売上や利益を上げていくためには、「営業マネジメント」が重要になってきます。
それぞれの営業マネージャーがチームで目標を設定し、目標達成のために日々の行動をマネジメントすることで、組織全体の売上や利益に繋がっていくのです。
一方で、成果に繋がる営業マネジメントを行うためには様々なスキルや知識が必要になってきます。しかし、このようなスキルや知識は普段の仕事だけで身に付けることが難しく、感覚的にマネジメントを行う人も少なくありません。そのため、マネジメント層に向けて研修を行うことが一般的です。
今回の記事では、複数企業の営業活動を支援してきたノウハウを元に、マネジメント向け営業研修とはどのようなものなのか、カリキュラム例やポイントも踏まえて解説をいたします。
弊社「CLF PARTNERS株式会社」では、様々な企業の営業活動を支援しており、支援社数350社以上、半年以上の継続率96.5%の実績がございます。 自社の営業活動強化にお悩みの方は、ぜひCLF PARTNERS株式会社までご連絡ください。
目次
マネジメント向け営業研修とは?
「マネジメント向け営業研修」とは、チームで営業活動を行う営業マネージャー向けに行う研修のことです。
新人社員向け営業研修とは違い、営業のスキルやテクニックだけではなく、チームをマネジメントするために必要な考え方やスキルを体系的に身に付けていきます。
※関連記事:新人社員向け営業研修とは?カリキュラム例やポイントを解説
マネジメント向け営業研修を行う主な目的としては、「組織やチーム全体での営業成果の向上」、「新入社員や若手社員の戦力化」の2つが挙げられます。
研修を受け、下記のようなスキルを身に付けていくことで、目的や部下に合わせたマネジメントができるようになります。
- マネジメントスキル
- 戦略策定スキル
- 課題解決スキル
- コミュニケーションスキル
営業マネージャーに昇進したばかりの担当者はもちろん、今まで独学でマネジメントをしてきたベテラン営業マネージャーにとっても効果的な研修です。
営業マネジメントによくある課題
営業マネジメントには課題がつきものです。
マネージャーに昇格してすぐにマネジメントがうまくいくケースは稀ですし、長年マネージャーとして仕事をしている方でも、部下に対し完璧なマネジメントをすることは至難の業でしょう。
自社の業界や事業規模、社員数やメンバー等によって課題は様々ですが、営業マネジメントにおける「よくある課題」にはある程度のパターンがあります。
ここからは、営業マネジメントによくある課題について具体的に解説いたします。
また、こちらの記事では、営業組織でよくある課題について解説をしています。合わせてチェックしてみてください。
※関連記事:営業組織であるあるの課題8選とは?実践で使える解決策も紹介
マネジメント方法が分からない
まず、「マネジメント方法が分からない」という課題はよくあります。
プレイヤーからマネージャーに昇進する際、当然誰しもがマネジメントの経験は0の状態です。バイトや部活等でマネジメント経験があるという方はいるかもしれませんが、やはり会社員としてマネジメントを行うやり方とは違う部分の方が多いです。
そのため、多くの人はいきなり「マネージャーになって部下をマネジメントして欲しい」と言われても、うまく対応することが難しいのです。
上司を真似してみたり、感覚的にマネジメントをしてみたりしても、上手くいかず、悩んでしまうマネージャーは多いでしょう。
営業活動の属人化
次に、「営業活動の属人化」もよくある課題です。
企業によっては、営業活動が属人的になってしまっていることはよくあります。自社の売上が社内に数人いるスーパー営業マンや社長営業に依存していることは珍しくありません。
営業が属人化してしまうと、1人の営業マンが離職してしまう事のリスクが大きくなってしまいます。優秀な営業マンは他の企業でも評価されやすいため、いつ転職をしてしまうか分かりません。
また、他のメンバーに営業ノウハウが共有されないと、若手社員や中途社員が成果を出せず、採用を増やしても事業拡大ができない状態に陥ってしまう可能性も高いです。
営業目標の未達成
次に、「営業目標の未達成」もよくある課題です。
チームで各個人が営業活動をどれだけ頑張っても、適切なマネジメントができていなければ、売上や利益などの営業目標を達成することは難しくなります。
営業目標が未達成の場合、部下にひたすら厳しく指導をしたりする方も少なくないかと思いますが、その方法では部下からの不満が貯まりますし、成果にも繋がりにくいです。
アナログな営業活動
次に、「アナログな営業活動」もよくある課題です。
近年はインターネットを活用した情報発信をする企業が増えてきました。そして、インターネッㇳで情報収集をし商品やサービスを検討する顧客も増えてきています。
結果として、従来の「飛び込み営業」や「テレアポ」といった営業手法は、成果を出しにくくなってきているのが現状です。
また、ITツールの発達により、交通費をかけずともオンラインで商談ができるようになったり、営業の進捗をデジタル上で管理できたりするようになってきています。
アナログな営業活動を続けていると、仕事の生産性は落ちていきますし、アポイント獲得や受注も難しくなってきます。
メンバーのモチベーション低下や離職
最後に、「メンバーのモチベーション低下や離職」もよくある課題です。
メンバーのモチベーションを高め、仕事の成果に繋げることはマネージャーの重要な仕事の一つです。
ですが、メンバーのマネジメント方法が分からず、メンバーのモチベーションが下がってしまったり、離職に繋がってしまったりした経験がある方も少なくないでしょう。
近年では、少子高齢化が進み、営業ができる若手社員は多くの企業で不足してきています。
マネジメントが下手な会社では、社員を採用しても離職されてしまい、優秀な営業マンが育たず、採用費だけを無駄に垂れ流すことになってしまいます。
自社の離職率を下げ、中長期的に売上を拡大させていくためにも、マネジメントは重要なのです。
マネジメント向けの営業研修カリキュラム例
ここまで、営業マネジメントによくある課題をまとめて紹介いたしました。
経営陣の方やマネージャーの方には、共感する課題もいくつかあったのではないでしょうか?
ここからは、マネジメント向けの営業研修のカリキュラム例を具体的に紹介いたします。
営業マネジメントの基礎
まず、「営業マネジメントの基礎」についての研修は定番です。
「営業マネジメントを行う目的」や「マネージャーの役割」といった基礎について体系的に学んでいきます。
「営業担当として成果を出すための知識や能力」と「営業マネージャーとして成果を出すための知識や能力」は似ているようですが大きく異なっています。
今まで営業担当として個人で成果を出してきた方であっても、マネージャーとしてチームを束ね成果を出すためには「営業マネジメントの基礎」から学んでいく必要があるでしょう。基礎を学ばずにマネジメントを行うと、チームのモチベーションが下がったり、離職に繋がってしまったりするリスクもあります。
営業担当者が営業マネージャーに昇進したタイミングや、組織やチーム全体での営業力に課題がある際に効果的な研修内容です。
こちらの記事では、営業組織マネジメントの7つの役割について解説しています。営業組織のマネジメントにお悩みの方は、合わせてチェックしてみてください。
※関連記事:営業組織マネジメントの7つの役割とは?トップ営業の思考法を解説
■カリキュラムの例
- 営業マネジメントを行う目的
- 営業マネージャーの役割
- 営業マネジメントのケーススタディー
営業戦略の立て方
次に、「営業戦略の立て方」についての研修も効果的です。
チームをマネジメントし営業成果を出すためには、やみくもに営業件数を増やすだけではうまくいかない可能性が高いです。
営業組織全体で成果を出すためには、経験値の多いマネージャーが営業戦略を立てて、戦略に従って各メンバーに動いてもらう必要があります。
マネージャー向けに研修を行うことで、各チームごとに営業戦略を作り、チーム全体で行動していくことができるようになります。
具体的には、
「市場環境」
「自社の強み」
「競合との違い」
「顧客の課題」
といった情報を元に、
「アプローチする企業のターゲット選定」
「企業へのアプローチ方法」
「企業へアプローチするタイミング」
等の戦略を考えることができるようになります。
また、営業戦略は1度作ればOKというものではありません。
実際に営業活動を行っていると、「戦略通りに行動してみたけれどうまくいかなかった」ということもよくあります。市場や競合の変化により、うまくいっていた戦略がうまくいかなくなることもあるでしょう。
その際に、「なぜ上手くいかなかったのか」「どうして失注してしまったのか」を分析し、戦略を練り直していくこともマネージャーに求められる能力です。
■カリキュラムの例
- 営業戦略の考え方
- 自社における経営戦略の整理
- 営業戦略の立案ワークショップ
営業組織の目標管理
次に「営業組織の目標管理」についての研修も重要です。
チームで営業活動をする際には、チームと個人それぞれに目標を設計し、マネージャーが進捗を日々管理していく必要があります。
ですが、適切な目標設定ができないと、チーム全体のモチベーションが下がってしまったり、営業成果を最大化できなかったりといった問題が起こってしまいます。
また、多くの場合、組織内のメンバーそれぞれの営業経験や営業スキルは大きく異なっています。自分1人の営業目標を設定することと、チームで営業も指揮を設定することでは、考えるべきことも変わってきます。
研修を行うことで、自社の組織やチームメンバーに合った適切な目標を設定できるようになります。
具体的には、組織全体の目標を踏まえて、チーム全体の目標、個人の目標を計画していきます。また、設定した目標に合わせて、売上や商談数、テレアポ数等の各数値の進捗を管理していきます。
組織営業を行う目的や仕組みづくりのポイントについてはこちらの記事で解説しています。成功事例も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
※関連記事:組織営業とは?目的や仕組み作りのポイント、様々な企業の成功事例を解説
■カリキュラムの例
- 営業組織における目標の考え方
- 営業組織の目標立案ワークショップ
アクションプランの立て方と行動管理
次に、「アクションプランの立て方と行動管理」についての研修も重要です。
チームの目標を設定した後は、メンバーごとに具体的なアクションプランを考えていく必要があります。特に営業経験の少ないメンバーは、目標だけを設定しても、どのような行動をすれば目標達成ができるのか分かりません。
営業マネージャーは、目標の売上や利益から逆算して、目標達成をするためにはどのような行動をどれくらい行う必要があるのか、計算をしていきながらアクションプランに落とし込んでいきます。研修では、目標に合わせてアクションプランを作る方法や、メンバーの行動管理をする方法について学びます。
やるべきことを明確化することで、営業経験が少ない方でも迷わずに行動をすることができるようになるのです。「売上を○○万円にする」という目標よりも、「商談回数を○○回にする」という目標の方が具体的で行動しやすいですよね。
また、行動目標が達成できていない場合は、「そもそもの行動回数が少ないのか」「他の業務が忙しく時間がないのか」といったように、どこに課題があるのか分析をしやすくなるというメリットもあります。
具体的なアクションプランを立てて行動管理をすることで、チーム全体の営業成果の最大化に繋がります。
■カリキュラムの例
- アクションプランの立て方
- 行動管理の方法
- アクションプランの立案ワークショップ
- 行動管理のケーススタディー
部下のマネジメント方法
最後に、「部下のマネジメント方法」についての研修も重要です。
営業マネージャーになってすぐは、部下のマネジメント方法が分からず、部下とのコミュニケーションや指導に悩んでしまいがちです。
また、営業マネージャーとしての経験が豊富な方でも、マネジメントを自己流で行い、目標達成ができていなかったり、部下からの不満が溜まってしまっていたりするケースもよくあります。
研修を行うことで、部下の育成方法やコミュニケーション方法、コーチングや傾聴の方法について体系的に学ぶことが可能です。また、営業マネージャーがマネジメントについて理解していないと、チーム全体のモチベーション低下や若手社員の離職にも繋がってしまうため、重要度の高い研修です。
■カリキュラムの例
- 部下のマネジメント方法の考え方
- コーチングの方法
- 部下のマネジメントについてのケーススタディー
マネジメント向け営業研修を行う際のポイント
では、実際にマネジメント向けに営業研修を行う際は、どのようなポイントに気を付けると良いのでしょうか?
ここからは、意識すべきポイントを3つ解説いたします。
課題に合わせて研修内容を考える
まず、研修内容は自社の課題に合わせて最適な内容を考えるようにしましょう。
記事の前半で紹介したように、企業によって営業マネジメントにおける課題は様々です。そのため、自社の課題に合わせて研修を企画しなければ、ただ時間やお金を無駄にしてしまうことにもなってしまいます。
自社の課題を見つける際は、営業活動のデータを元にボトルネックとなる部分を見つけたり、社内の様々な営業メンバーにヒアリングをしてみたりすると良いでしょう。
また、「マネージャーへの昇進」や「経営方針の変更」といったタイミングで研修を行うことも効果的です。
継続的に効果検証やフィードバックを行う。
次に、研修を行う際は、継続的に効果検証やフィードバックを行うように設計しておくことも重要です。
どれだけ優れた研修でも、1回の実施で学んだ内容が全て定着し実践できるということはありません。研修で学んだことは次第に忘れてしまうものですし、研修の内容を実践していても営業やマネジメントの現場で新たな課題にぶつかることはよくあります。
そのため、研修は1回きりで終わりでなく、複数回に分けて実施し、継続的に効果検証やフィードバックを行うようにしましょう。
もし研修の効果があまり出ていないのであれば、研修内容を改善したり、頻度を増やしたりすることも大切です。
外部への依頼も検討する
最後に、研修は自社で行うだけでなく、外部に依頼することも検討することをオススメします。
自社で研修を行う場合、自社の立ち位置や業界特性等を踏まえて研修内容が企画できます。
一方で、社内で営業マネジメントについて詳しいメンバーがいなかったり、営業マネジメント経験者が日々の業務に忙しかったりする場合は、自社のみで研修を企画し実施することは難しいでしょう。
外部に研修を依頼することで、外部の知見を取り入れながら体系的に営業マネジメントについて学ぶことができるようになります。当然費用はその分かかりますが、社内で準備を行う時間を削減できますし、研修も素早く実施可能です。
営業研修を外部に依頼することを検討している方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
※関連記事:営業研修におすすめの会社11選!失敗しない選び方も解説
まとめ
今回の記事では、マネジメント向け営業研修について、カリキュラム例やポイントを解説いたしました。
営業組織のマネジメントに課題を感じている企業は少なくないでしょう。
営業マネジメントにおける問題は、売上や利益の減少、離職率の増加といった経営上の大きな問題に繋がっていきます。
一方で、営業マネジメントを正しく行えば、チーム内のメンバーがそれぞれ成果を出し、モチベーションも高まり、売上や利益も伸びていきます。
ぜひ今回の記事を参考に、マネジメント向けの営業研修を検討してみてください。
また弊社CLF PARTNERS株式会社では、様々な企業への営業支援を行っており、支援社数350社以上、半年以上の継続率96.5%の実績がございます。営業コンサルで培われた超実践型研修も行っており、研修後は現場での伴走支援までお任せください。
通常の研修会社と異なり、実際に同じ立場に立ち、お手本となり学んでいただくことができます。 当社は行動科学に基づいた研修を行っており、研修前の設計、研修の内容、研修後のフォローと行動変容に繋がる研修のプランニングとその後の実践サポートを行っています。 自社の営業活動強化にお悩みの方は、ぜひCLF PARTNERS株式会社までご連絡ください。 皆様のビジネスの成長を全力でサポートいたします。
営業の悩みをプロに相談してみませんか?
営業組織を変えたい、商談化率や成約率を向上したいという方はお気軽にCLF PARTNERSへご相談ください。
この記事の監修者
CLF PARTNERS株式会社
代表取締役社長 松下 和誉
大学卒業後、大手総合系コンサルティングファームに入社。最年少で営業マネジャーに就任。中小企業から大手企業まで幅広くコンサルティング業務を実施。また、文部科学省からの依頼を受け、再生機構と共に地方の学校再生業務にも従事。 その後、米Digital Equipment Corporation(現ヒューレットパッカード)の教育部門がスピンアウトした世界9ヵ国展開企業のJAPAN営業部長代行として国内の最高売上に貢献。 現在は関連会社12社の経営参画と支援を中心に、グループの軸となるCLF PARTNERS㈱ではVC出資ベンチャー企業、大企業の新規事業の支援に従事
公式Xアカウント:https://x.com/clf_km