売上が伸び悩んでいる、人材育成がうまくいかない、部門間の連携が取れないなどの課題で頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、営業組織によくある8つの課題と、その実践的な解決策を紹介します。これらの方法を活用すれば、営業力を強化し、業績向上につなげられるようになるでしょう。
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営業組織であるあるの課題8選
以下に、営業組織によくある8つの課題と、それぞれの解決策を表形式でまとめました。
あるあるの課題 | 解決策 |
1.営業活動を組織的に実行できていない | 営業部門の負担を軽減する仕組みを作る |
2.営業活動が属人化している | 業務を標準化する仕組みを作る |
3.新規開拓営業で成果が出ていない | インサイドセールス部門を設置する |
4.成約率が向上しない | 顧客の課題と提供価値を明確にする |
5.成果を出せる人材を育成できていない | 教育を受けられる機会を確保する |
6.営業メンバーのモチベーションが低い | 個々の状況に応じたサポート体制を構築する |
7.顧客管理を効率的に行えていない | DX化を図る |
8.営業とマーケティングが連携できていない | KGI・KPIを設定し共有する |
多くの企業の営業組織が直面するこれらの課題は、業績に大きな影響を与える可能性があります。しかし、適切な解決策を実施することで、課題を克服し、営業力を強化することが可能です。ここからは、各課題とその解決策について詳しく説明していきます。
【課題1】営業活動を組織的に実行できていない
多くの企業で見られる課題が、営業活動の組織的な実行の難しさです。特に中小企業やスタートアップでは、一人の営業担当者が顧客開拓から商談、契約、納品まですべてを担当することがあります。
この状況では、営業担当者に過度な負担がかかり、商談数が減少したり、顧客対応の質が低下したりするリスクが生じます。売上も伸び悩み、営業社員の離職につながることもあるでしょう。
一方、大企業では部門間の連携不足や役割の固定化が問題となることがあります。例えば、インサイドセールスとフィールドセールスの連携が上手くいかず、顧客ニーズに柔軟に対応できないケースなどが良い例です。このような課題を抱えていると、企業の成長が阻害され、競争力の低下につながる可能性があります。
【解決策】営業部門の負担を軽減する仕組みを作る
営業部門の負担を軽減し、組織的な営業活動を実現するためには、効果的な仕組み作りが不可欠です。
まずは業務の明確な分担を行います。顧客開拓や商談、契約、アフターフォローなどの役割を適切に分担することで、各担当者の専門性が高まり、業務の質が向上します。CRM(顧客関係管理ツール)などを導入して顧客情報を一元管理し、部門間での情報共有を円滑にすることも重要です。
また、定期的なミーティングを実施して部門間の連携を強化し、課題や成功事例を共有することで、組織全体の営業力を高められます。
これらの施策を実施することで、営業活動の効率化と質の向上を図り、強い営業組織を構築できるでしょう。
強い営業組織とはどのような組織なのか、詳しく知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:強い営業組織とは?強い営業組織に改革するためのポイント6選
【課題2】営業活動が属人化している
営業活動の属人化は、多くの企業が直面する深刻な課題です。属人化とは、特定の営業担当者に頼りきりになる状況を指します。例えば、ベテランの担当者だけが特定の顧客の重要情報を把握している。新人は基本的な商品説明すらままならない一方で、中堅社員は独自の営業トークで高い成約率を誇るといった具合です。
この状態では、担当営業が急に休んだら顧客対応に支障をきたし、優秀な営業職が退職すれば売上が急落するリスクがあります。
また、各自のノウハウが共有されないため、新人教育も難しくなります。結果として、組織全体の成長が妨げられ、安定した営業成績を維持できなくなる危険性があるのです。
【解決策】業務を標準化する仕組みを作る
属人化を解消するには、業務の標準化が不可欠です。まず、事前準備から初回商談までの流れを明確にし、チェックリストを作成します。例えば、「顧客の業界研究→提案資料作成→想定Q&A準備」といった具合です。
次に、基本的な商品説明や価格交渉のトークスクリプトを用意し、誰でも一定水準の対応ができるようにします。成功事例をもとに営業資料のテンプレートを作り、全員で共有するのも良いでしょう。
定期的なロールプレイング研修で、これらのツールを実践的に使えるよう訓練すれば、個人の能力に依存しない安定した営業体制を構築できます。
【課題3】新規開拓営業で成果が出ていない
新規開拓営業で成果が出ていないことも、多くの企業が抱える課題です。例えば、営業部門が100件の新規企業にアプローチしても、実際に商談まで至るのはわずか5件程度という状況も珍しくありません。
また、せっかく商談まで進んでも、成約率が低く、月間の新規顧客獲得数が目標の半分にも届かないといったケースもあるでしょう。この状況が続くと、企業の成長が停滞してしまいます。
【解決策】インサイドセールス部門を設置する
インサイドセールス部門の設置は、新規開拓営業の効率を向上させる解決策です。この部門は、電話やメール、オンライン会議システムなどを活用して、非対面の営業活動を専門的に行うのが特徴です。
例えば、Webサイトの問い合わせフォームから得た情報をもとに、興味を示した顧客にフォローの電話をかけたり、商品説明のメールを送ったりします。次に、リード(見込み顧客)の購買意欲を確認し、商談の可能性が高い顧客だけをフィールドセールス部門に引き継ぎます。
フィールドセールスは、確度の高いリードとの商談に集中でき、営業部門全体の生産性を向上させることが可能です。
インサイドセールスのやり方を知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
関連記事:インサイドセールスのやり方を7ステップで解説!成功させるポイントも紹介
【課題4】成約率が向上しない
営業でよくある課題として挙げられるのが成約率の低迷です。多くの商談を行っても、実際に契約に至る割合が低く、目標達成が難しい状況が続いているといったケースに当てはまっていませんか?
この状態が長引くと、営業担当者のモチベーション低下に繋がり、顧客との信頼関係にも悪影響を及ぼす恐れがあります。成約を焦るあまり、押し売りしてしまい顧客の反感を買ってしまう、諦めムードが蔓延し、提案の質が低下するといった悪循環に陥ってしまうこともあるでしょう。
また、営業活動にかかるコストに対して売上が伸びないため、企業の収益性が悪化する問題も生じます。
【解決策】顧客の課題と提供価値を明確にする
成約率を向上させるには、顧客の課題と自社の提供価値を明確にすることが重要です。まず、顧客へのヒアリングを徹底し、「なぜ今の状況に不満があるのか」「どんな理想の状態を望んでいるのか」を具体的に把握します。
次に、自社の商品・サービスがどのようにその課題を解決し、理想の状態を実現できるかを明確にします。
例えば、次のように具体的な効果を示すことで、顧客にとっての価値を明確にできるでしょう。
「当社のシステムを導入することで、現在の作業時間を大幅に削減でき、年間〇〇万円のコスト削減につながります」
営業トークや提案資料を改善し、顧客のニーズに合った説得力のある提案を心がけましょう。
【課題5】成果を出せる人材を育成できていない
多くの営業組織で、成果を出せる人材の育成が大きな課題となっています。実際の営業現場では、新入社員や若手メンバーに対して、体系的な指導が行われていないケースが多々あります。
リモートワークの増加により、オンライン商談への同席は可能になったものの、移動時間中の情報共有や商談後のフィードバックなどの機会も減少しているでしょう。
結果として、営業スキルの個人差が拡大し、組織全体の生産性低下につながっています。さらに、キャリアアップの機会が少ないと感じた優秀な人材が離職してしまうリスクも高まっています。
【解決策】教育を受けられる機会を確保する
人材育成の課題解決には、メンバーが体系的な教育を受けられる機会を確保することが不可欠です。まず、社内で定期的な研修プログラムを設けましょう。例えば、月に1回、半日程度の時間を使って、商品知識や顧客対応スキル、提案書作成など、テーマを決めて集中的に学ぶ機会を作ります。
また、外部の専門家を招いてセミナーを開催したり、オンラインの学習プラットフォームを導入したりすれば、最新の営業手法や業界動向を学べます。メンター制度の導入もおすすめです。これらの取り組みにより、個々の営業スキルが向上し、組織全体の成果を高められます。
おすすめの営業研修会社を見つけたい方は、以下の記事もご覧ください。
関連記事:営業研修におすすめの会社11選!失敗しない選び方も解説
【課題6】営業メンバーのモチベーションが低い
営業部門でよく見られる問題が、メンバーのモチベーション低下です。具体的な症状としては、遅刻や早退の増加や報告書の提出遅れ、商談件数の減少などが挙げられます。
原因は様々ですが、思うような成果が出ない焦り、高すぎる(または低すぎる)目標設定、チーム内のコミュニケーション不足、キャリアパスの不明確さなどが挙げられます。
例えば、毎月のノルマを達成できず、上司から叱責を受け続けることで自信を失っていくケースもあるかもしれません。逆に低すぎる目標で挑戦する機会がないと感じるケースもあるでしょう。
これらの状況が続くと、優秀な人材の離職や組織全体の業績低下につながる危険性があります。
【解決策】個々の状況に応じたサポート体制を構築する
モチベーション向上には、個々の状況を正確に把握し、適切なサポートを提供することが重要です。
まず、定期的な1on1ミーティングを実施し、各メンバーの悩みや課題を丁寧にヒアリングしましょう。その上で、個人の能力と意欲に合わせた目標設定を行い、達成可能でありながらも挑戦的な目標を提示します。
また、チーム内でのコミュニケーションを活性化させるため、定期的に成功事例を共有し、褒め合う文化を醸成するのも手です。これらの取り組みにより、メンバー一人ひとりが自身の成長と組織への貢献を実感できる環境で業務を行えるようになるでしょう。
【課題7】顧客管理を効率的に行えていない
顧客管理を効率的に実施できていないといった課題もよく見られます。顧客情報が紙やエクセルファイルなど複数の媒体に散在し、必要な情報を探すのに時間がかかるケースです。
このような場合、担当者が変わった際の引き継ぎ時、重要な顧客情報が失われることもあります。過去の商談履歴や顧客の要望が共有できていないため、同じ提案を繰り返してしまうリスクなどが生じるのです。これらの問題により、顧客満足度の低下や営業機会の損失につながる危険性があります。
【解決策】DX化を図る
顧客管理の効率化には、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が有効です。具体的には、CRMやSFA(営業支援システム)などのツールを導入し、顧客情報を一元管理します。
商談履歴や購買傾向、問い合わせ内容などを簡単に確認できるので、適切な提案・対応が可能になります。
モバイルアプリと連携できるツールであれば、外出先でもリアルタイムで情報を更新したりできるようにも。導入にあたっては、現場の声を聞きながら、使いやすさと効果的な運用方法を十分に検討することが重要です。
どのようなツールを導入すれば良いかわからない場合は、CLF PARTNERSにご相談ください。
【課題8】営業とマーケティングが連携できていない
営業部門とマーケティング部門の連携不足が課題となっている企業もあります。両部門は本来、顧客獲得という共通の目標に向かって協力すべき関係にありますが、実際にはしばしば対立や摩擦が生じています。
実際に、マーケティング部門が獲得したリードの質に営業部門が不満を持つ。逆に営業部門のフォローアップの遅さにマーケティング部門が不満を抱くといった状況がよく見受けられます。
連携不足により、せっかく獲得したビジネスチャンスを逃すリスクが生じます。
【解決策】KGI・KPIを設定し共有する
営業とマーケティングの連携強化には、KGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)の設定・共有が効果的です。それぞれの具体例は以下の通りです。
KGI | KPI |
新規顧客からの売上1億円達成 | 月間100件のリード獲得(マーケティング部門)獲得 リードの30%と商談(マーケティング) 商談からの成約率20%(営業) |
マーケ部門にはリード獲得だけでなく、商談化率まで追ってもらうと良いでしょう。リードの獲得数だけを追うと、購買確度が著しく低いリードも大量に含まれる可能性があり、その後の商談効率も落ちる恐れがあるためです。
定期的な合同ミーティングを実施し、リードの質や量、フォローアップの状況などを話し合う場を設ける取り組みも欠かせません。
営業課題の見つけ方とは?
営業課題は以下のステップで見つけるのがおすすめです。
STEP1.数値データを分析する | 売上推移や商談件数、成約率などの数値をチェックし、目標とのギャップを確認する |
STEP2.競合を分析する | 競合他社の戦略や強みを研究し、自社との差異を明確にする |
STEP3.社内にヒアリングを行う | 営業メンバーや他部門から、日々感じている困難や非効率な点を聞き出す |
STEP4.顧客からヒアリングを行う | 定期的な顧客アンケートや、失注時のヒアリングを行い、改善点を把握する |
これらのステップを順序立てて実行することで、多角的な視点から営業課題を特定できます。
数値データは客観的な現状把握に、競合分析は市場での立ち位置の理解に役立ちます。社内と顧客からのヒアリングは、数字には表れない現場の実態や顧客ニーズを捉えるのに効果的です。
営業組織の課題解決が重要な理由
営業組織の課題解決が重要な理由は、企業の持続的成長に直結するからです。近年のビジネス環境の急速な変化により、従来の営業手法だけでは十分な成果を上げることが困難になっています。
例えば、デジタル化の加速により顧客の購買行動が大きく変化しています。多くの顧客がオンラインで情報を収集し、商品やサービスを比較検討するようになりました。この変化に対応できない営業組織は、顧客との接点を失い、売上の減少につながる危険性があります。
逆に、課題解決に積極的に取り組めば、競合他社との差別化が可能となります。営業組織の課題解決は、単なる部門改善の問題ではなく、企業全体の存続と発展に関わる重要な経営課題として認識し、取り組む必要があるのです。
営業組織の課題を解決するのにおすすめの方法
営業組織の課題を効果的に解決するには、まず現状の正確な把握が重要です。そのうえで、以下の方法を組み合わせて取り組むことをおすすめします。
ITツールを活用する
CRMやSFAなどのITツールを導入することで、顧客情報の一元管理や営業プロセスの可視化が可能になります。
例えば、商談の進捗状況をリアルタイムで共有したり、見込み顧客の購買確度を数値化したりすることが可能です。また、営業活動のデータを分析することで、効果的な戦略立案にも役立てられるでしょう。これらの取り組みにより、組織全体の営業効率が向上し、成約率の改善につなげられます。
営業コンサルティング会社を活用する
営業コンサルティング会社の活用は、営業組織の課題解決に非常に効果的です。外部の専門家の知見を借りることで、客観的な視点から自社の課題を明確化し、効果的な解決策を見出せるでしょう。
営業コンサルティング会社は、まず現状分析を行い、営業プロセスや組織構造、人材育成方法などの問題点を特定します。次に、業界のベストプラクティスや最新のトレンドを踏まえた改善策を提案します。
社内だけでは気づきにくい新しい視点や手法を取り入れることで、営業組織に新たな活力を生み出すきっかけにもなるでしょう。
おすすめの営業コンサルティング会社を見つけたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
関連記事:営業コンサルおすすめ10選!費用相場や選ぶポイントも解説
まとめ|営業組織の課題を解決し、業績向上を目指そう
本記事では、営業組織が直面する8つのよくある課題と、その実践的な解決策を紹介しました。これらの課題に適切に対処することで、営業組織の生産性を大幅に向上させられるでしょう。課題解決には、ITツールの活用や営業コンサルティング会社の支援が効果的です。
CLF PARTNERSは、350社以上の支援実績を持つ専門家集団として、営業組織の課題解決をサポートします。戦略立案から実行まで、一貫した支援で成果に貢献します。営業課題を特定し、解決したいとお考えの方は、ぜひCLF PARTNERSにご相談ください。
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この記事の監修者
CLF PARTNERS株式会社
代表取締役社長 松下 和誉
大学卒業後、大手総合系コンサルティングファームに入社。最年少で営業マネジャーに就任。中小企業から大手企業まで幅広くコンサルティング業務を実施。また、文部科学省からの依頼を受け、再生機構と共に地方の学校再生業務にも従事。 その後、米Digital Equipment Corporation(現ヒューレットパッカード)の教育部門がスピンアウトした世界9ヵ国展開企業のJAPAN営業部長代行として国内の最高売上に貢献。 現在は関連会社12社の経営参画と支援を中心に、グループの軸となるCLF PARTNERS㈱ではVC出資ベンチャー企業、大企業の新規事業の支援に従事
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