【元外資系営業部長代行が解説】営業部長の役割と、マネージャーとの違い・昇格に必要な資質

「営業部長になったものの、課長時代と何を変えればいいのか分からない」
「自分も数字を持ったままで、部長としての仕事に手が回らない」
「経営層の期待と現場の実情に挟まれ、戦略を現場に落とし込めない」

こうした悩みを抱える、営業部長や部長候補の方は少なくありません。営業部長とは、営業部門の責任者として、営業戦略の策定、営業組織のマネジメント、経営層や他部門との調整を担う役職です。役割に悩む背景の一つには、担当チームの成果を直接管理する立場から、複数のマネージャーを通じて営業部門全体の成果を生み出す立場への切り替えが難しいことがあります。

そこで本記事では、外資系企業で営業部長代行を務めたCLF PARTNERS代表・松下和誉の経験と、累計400社以上の営業支援の知見をもとに、営業部長の3つの役割と、昇格に必要な5つの資質を解説します。あわせて、営業マネージャーとの違いや最新の年収データも紹介します。
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この記事はこんな方におすすめです

  • 営業部長に昇格したばかりで、自分の役割を整理したい方
  • プレイヤー業務に追われ、部長としての仕事に手が回らない方
  • 営業部長を目指しており、昇格に必要な資質を知りたい方
  • 部下のマネージャー層を育て、組織で成果を出したい方

営業部長の役割とは

営業部長とは、複数の営業チームを束ね、営業部門全体の売上と組織の成長に責任を持つ役職です。その役割は、戦略の策定、組織のマネジメント、経営層・他部門との調整の3つに整理できます。

課長時代のように自分のチームで数字をつくるのではなく、経営と現場をつなぎ、部門全体が成果を出せる仕組みを整えることが部長の仕事の中心になります。ここからは、それぞれの役割で部長が具体的に何を担うのかを見ていきましょう。

戦略の策定:経営目標を現場が実行できるKPIに落とし込む

営業部長が担う戦略策定とは、経営目標を踏まえ、どの市場・顧客に注力し、どのような価値と強みで受注を獲得するかを決めることです。人員や予算の配分、取り組まない活動も明確にしたうえで、現場が実行できるKPIと行動計画に落とし込みます。

注力先や勝ち方が決まらないまま売上目標だけを現場に渡しても、メンバーはどの顧客に何を提案すればよいのか判断できず、行動は変わりません。例えば、「6カ月以内に新規顧客からの受注件数を30%増やす」という目標であれば、次の流れで進めます。

  1. 顧客層を選ぶ:過去の受注・失注データや市場動向を分析し、自社の強みが評価されやすく、利益も確保できる顧客層を選ぶ
  2. 勝ち方を整える:その顧客層の課題に合わせて、訴求する価値や提案資料、商談の進め方を準備する
  3. KPIに落とし込む:必要な受注件数から逆算して受注率と商談数を設定し、チームごとの月次KPIにする
  4. 実行後に見直す:商談数だけでなく、狙った顧客と商談できているか、提案が評価されているかを確認し、顧客層・提案方法・活動量を修正する

このように、市場分析から戦略立案、実行、モニタリングまでのプロセスを主導することで、組織全体の営業力を向上させることができます。

営業会議で「前年比120%を目指す」「商談数を増やす」と伝えるだけでは、現場は変わりません。私が重視しているのは、受注・失注データと実際の商談を照らし合わせ、成果を妨げている原因を見極めることです。狙う顧客がずれているのか、提案で価値を伝え切れていないのか、商品や価格に課題があるのかによって、打つ手は変わります。原因に応じてターゲットや提案方法を見直し、必要であれば商談の見本を示す。そのうえで、誰が・何を・いつまでに変えるかを決め、マネージャーが改善を継続できる状態まで整えることが重要だと考えています。

組織のマネジメント:マネージャーが成果を出せる状態をつくる

営業部長の組織マネジメントとは、メンバー一人ひとりを直接管理することではなく、各チームのマネージャーが成果を出せる状態を整えることです。優れた戦略があっても、実行するチームの能力開発やモチベーション管理、業務環境の整備が不十分では、持続的な成果は期待できません。

加えて、部長がメンバーの案件に直接口を出し続けると、マネージャーの判断力が育たず、部長がいないと回らない組織になってしまいます。そのため、以下の3つの側面からの包括的なマネジメントが求められます。

人材育成とモチベーション管理・メンバー一人ひとりの強みを活かした指導と育成
・明確なKPIの設定と定期的な進捗確認
・公平で納得性の高い評価制度の構築
・キャリアパスの明確化と成長機会の提供
組織設計と風土改革・適材適所の人員配置と権限委譲
・チーム間の連携強化とナレッジ共有
・健全な組織文化の醸成
・新規採用と人材育成の戦略立案
業務環境の整備・業務プロセスの標準化とツール導入による効率化
・メンバーのワークライフバランスへの配慮
・オープンなコミュニケーション環境の構築
・生産性を高める職場づくり

このように、組織のマネジメントは個々のメンバーの育成だけでなく、組織全体の仕組みや文化づくりまでを包含する、戦略実現の重要な基盤となります。

経営層・他部門との調整:営業が動くための予算と協力を取り付ける

営業部長が担う調整業務とは、営業が戦略どおりに動けるよう、経営層から予算と人員を、他部門から必要な協力を取り付けることです。営業活動の成果を最大化するには、社内の各部門との緊密な協力体制を築き、経営層と戦略的な合意を形成するとともに、重要顧客との良好な関係を維持することが不可欠です。

具体的には、以下の調整業務を担います。

  • 経営層への戦略提案と予算交渉
  • マーケティング部門との施策連携
  • 製品開発部門への顧客ニーズのフィードバック
  • カスタマーサクセス部門との顧客情報共有

新しい業界を攻める戦略を立てても、マーケティング部門の集客施策や開発部門の製品対応が伴わなければ、営業だけの努力では受注につながりません。このように、営業部長は組織内外をつなぐ重要なハブとして機能し、ビジネスの持続的な成長を支える役割を果たします。

営業部長はプレイヤーとの兼任が多い?

現代の営業部長の特徴的な役割の一つに、マネージャーとプレイヤーを兼務する「プレイングマネージャー」としての働き方があります。

産業能率大学総合研究所の調査によると、96%の部長職がプレイヤー業務も担っており、その比率は全業務の約40%にのぼります。これは、組織のスリム化や業務の複雑化により、マネジメント専任が難しくなっている現状を示しているといえるでしょう。(なお、本調査は上場企業の部長職を対象としており、営業部長に限定したものではありません。) 

具体的には、以下のような業務を同時にこなしています。

  • 重要顧客との商談対応
  • 新規市場開拓における陣頭指揮
  • 部下の案件支援や同行営業
  • マネジメント業務(戦略立案、組織管理など)

このように、営業部長にはプレイヤーとしての実践力と、マネージャーとしてのマネジメント力の両方が求められています。

営業部長と営業マネージャーとの違い

営業組織の中核を担う「営業部長」と「営業マネージャー」。一見似た役職に思えますが、求められる視点やスキル、役割には明確な違いがあります。

営業マネージャーはチームの成果を最大化する役割を担い、営業部長は部門全体の戦略や経営に関わる重要なポジションです。ここでは、それぞれの違いを視点・スキル・年収の観点から詳しく解説します。

視点と役割の違い

営業部長と営業マネージャーは、同じ管理職でありながら、求められる視点と役割に明確な違いがあります。これは、組織における位置づけと責任範囲が異なるためです。

営業部長は部門全体の成果に責任を持つ立場である一方、営業マネージャーは特定のチームの目標達成を担う役割を担います。以下が主な違いです。

項目営業部長営業マネージャー
視野の範囲全社的・長期的チーム単位・中期的
戦略策定部門戦略の立案チーム戦略の具体化
人材育成マネージャーの育成メンバーの育成
対外関係他部門との連携・調整現場レベルの連携

このように、両者には明確な役割の違いがあり、それぞれの立場に応じた適切なマネジメントが求められます。

必要とされるスキルセットの違い

営業部長と営業マネージャーは、それぞれの立場に応じて求められるスキルセットが大きく異なります。営業部長は部門全体の経営責任を担い、戦略的な意思決定を求められる役職です。一方、営業マネージャーは現場の最前線でチームを指導し、実践的な営業力の強化に貢献します。

以下に、それぞれの主なスキルセットの違いを示します。

スキル領域営業部長営業マネージャー
判断力経営的判断力・リスク管理能力現場レベルの意思決定力
リーダーシップビジョン構築力・変革推進力チーム統率力・動機付け力
指導力マネージャーの育成・指導力メンバーへの実践的指導力
分析力市場分析・経営数値分析力案件分析・営業プロセス分析力

このように、両者には必要とされるスキルセットに明確な違いがあり、それぞれの役割に応じた能力開発が求められます。

年収の違い

営業部長の年収は、営業マネージャー(課長級)より年間で約128万円高い水準です。厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査によると、役職別の所定内給与額(男女計の月額)は、部長級が635,800円、課長級が529,200円でした。年収に換算すると、次のとおりです。

  • 部長級:基本給年収約763万円(月給635,800円×12カ月)+賞与・手当
  • 課長級:基本給年収約635万円(月給529,200円×12カ月)+賞与・手当

所定内給与額には残業代や賞与が含まれないので、実際の年収はこの金額に賞与や各種手当が上乗せされます。部長級の給与が高いのは、自分のチームだけでなく部門全体の業績と、マネージャーの育成という長期的な成果にまで責任を負う立場だからです。
参考:令和7(2025)年賃金構造基本統計調査の概況

営業部長への昇格条件|部長代行経験者が挙げる5つの資質

営業部長への昇格に必要なのは、ビジョン伝達力、クロスファンクショナルな調整能力、経営的判断力、次世代リーダー育成力、組織の架け橋となる力の5つです。これらは、外資系企業でJAPAN営業部長代行を務め、国内最高売上に貢献した本記事の監修者・松下和誉が、自身の経験から挙げた資質です。

マネージャーとして成果を出してきた人でも、チームの枠を超えて組織全体を動かす力がなければ、部長として成果を出し続けることは難しくなります。

ビジョン伝達力

ビジョン伝達力とは、経営層が掲げる方針の背景や意図を、現場のメンバーが自分の仕事に結びつけて理解できる言葉で伝える力です。数字の目標だけが降りてくると、現場は「上が決めたノルマ」と受け止め、達成に向けた工夫が生まれにくくなります。

これは、マネージャー時代の短期目標管理や日常業務の遂行とは本質的に異なるスキルです。例えば、「3年後に市場シェア30%を達成する」という経営目標がある場合、以下のような取り組みが求められます。

  • 各チームの特性に応じた段階的な目標設定
  • 具体的なアクションプランへの落とし込み
  • メンバーが理解しやすい表現での説明
  • 目標達成に向けたモチベーション維持の施策

このように、ビジョンを「現場の言葉」に翻訳し、チーム全体が一丸となって進める環境を整えることが、部長レベルのリーダーシップとして不可欠です。

クロスファンクショナルな調整能力

クロスファンクショナルな調整能力とは、マーケティングや製品開発、カスタマーサクセスなど他部門の利害を調整し、営業の成果につながる協力関係を築く力です。部門ごとに追っている目標が異なるので、営業の都合だけを主張しても協力は得られません。

これは、チーム内の管理に重点を置くマネージャーレベルとは異なる役割です。具体的には、以下のような場面で調整力が求められます。

  • 新商品ローンチに向けた開発部門との連携
  • マーケティング施策と営業活動の整合性確保
  • 予算や人員配置に関する経営層との交渉
  • 部門間の利害対立に対する解決策の提示

このように、営業部長には「チーム」の枠を超え、全社的な視点で部門間の協力関係を築き、組織全体の成果を最大化する役割が求められます。

経営的判断力

経営的判断力とは、売上の大きさだけでなく、収益性や投資対効果を踏まえて人員や予算の配分を決める力です。売上を追うだけの判断を続けると、利益の出ない案件や採算の合わない人員配置が積み重なり、部門として成長し続けることができません。

これは、チームKPIの達成管理を主とするマネージャーレベルとは異なる視点が求められます。具体的には、以下のような判断が必要になります。

  • 投資対効果を踏まえた人員配置の決定
  • 新規事業領域への参入判断
  • リソース配分の最適化
  • 中長期的な収益構造の分析

部長の判断ひとつで、数十人のメンバーの時間と会社の予算の使い道が変わります。数字を経営の視点で読み解き、限られた資源をどこに投じるかを決められる人が、部長に引き上げられていきます。

次世代リーダー育成力

次世代リーダー育成力とは、メンバーを直接指導するのではなく、マネージャーが自分で判断し、チームを動かせるように育てる力です。そのためには、直接的なチーム管理から一歩引き、マネージャー層の成長を支援する視点への転換が必要となります。

部長一人が指導できる人数には限りがあり、マネージャーが育たなければ組織の規模に成果が追いつきません。部長が目指すのは「リーダーを育てるリーダー」です。

具体的には、以下のような育成アプローチが求められます。

  • マネージャーの自主的な判断を促す質問型の指導
  • 困難な局面での適切なアドバイスと支援
  • リーダーシップスキル向上のためのフィードバック
  • 経営的視点を養うための助言や機会提供

例えば、チームの目標が未達の場合、部長が直接メンバーに指示を出すのではなく、まずマネージャーに「どこに原因があるか」「何を優先して改善するか」「誰に何を任せるか」を考えてもらいます。

部長は、その判断の根拠を確認し、必要に応じて別の視点や判断基準を伝えます。そのうえで実行を任せ、結果と判断の過程を一緒に振り返ることで、マネージャーが自らチームを動かす力を育てます。このように、営業部長には、短期的な成果の追求だけでなく、次世代リーダーの育成を通じて組織の持続的な成長を支える役割が求められます。

とはいえ、マネージャーに任せる範囲の線引きや質問型の指導は、自己流で身につけようとすると時間がかかります。社内だけでマネージャー層の育成を進めにくい場合は、営業マネジメント研修で育成の型を学ぶのも一つの方法です。

組織の架け橋としての役割

組織の架け橋としての役割とは、現場の成果や課題を経営層に届け、経営層の判断を現場が納得できる形で返して、組織の方向性をそろえることです。現場の実情が経営層に届かないまま方針が決まると、現場は納得できない目標を背負い、経営層は数字の裏にある課題を見落としてしまいます。

これは、チーム内での成果報告に留まるマネージャーレベルとは異なる責務です。具体的には、以下のような活動が重要になります。

  • 数値とストーリーを組み合わせた説得力のある実績報告
  • 現場の課題や改善提案の経営層への効果的な伝達
  • 経営層の決定事項と、その判断に至った経緯の現場への共有
  • 組織全体の価値創出プロセスの可視化

このように、営業部長は組織の上下をつなぐコミュニケーションハブとして機能し、現場の努力と経営の意図を効果的に結びつけることで、組織全体の成長を促進する役割を果たします。

経営層への報告で、数字だけを並べる部長は少なくありません。予算や人員の相談が通りやすい部長ほど、失注の理由や顧客の反応といった現場の情報を添えて、次に打つ手まで示しています。報告を結果の説明ではなく、経営層に次の判断材料を渡す場だと捉えると、会話の中身が変わってきます。

営業マネージャーから営業部長へのキャリアパス

営業マネージャーが営業部長を目指すには、在任中から部長の仕事の一部を引き受け、経営の視点と部門をまたぐ経験を計画的に積むことが近道です。部長職では、マネージャー時代とは異なる次のスキルが求められます。

  • 経営視点での判断力
  • 部門を超えた調整力
  • 次世代リーダーの育成力

これらを身につける準備としては、次の取り組みが効果的です。

  • 他部門との連携プロジェクトに参加し、調整の経験を積む
  • 財務やマーケティングの専門研修で、数字を経営の視点で読む力をつける
  • MBAや経営管理の資格取得、リーダーシップ開発プログラムへの参加で体系的に学ぶ

スキル開発をスムーズに進めるには、CLF PARTNERS株式会社のような実績豊富な営業コンサルティング会社のサポートを活用するのも有効です。現役営業部長の実践的なアドバイスを受けることで、より確実なキャリアアップを実現できます。
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営業部長に就任したら最初に取り組むべき3つのこと

営業部長に就任したら、最初の数カ月で現状把握、経営層との期待値調整、右腕となるマネージャーの選定の3つに取り組むことをおすすめします。新任の部長ほど、早く成果を見せようとすぐに施策を打ちがちです。

しかし、組織の課題も、自分が何で評価されるのかも、任せられる人も分からないまま動くと施策が空回りし、結局は自分で数字を取りにいくプレイヤーに戻ってしまいます。

現状把握:数字と現場の両方から組織の止まっている箇所を特定する

就任直後は、新しい施策を打つ前に、数字と現場の両方から組織のどこで成果が止まっているのかを特定します。数字だけを見ると「受注率が低い」という結果は分かっても、その原因が提案内容にあるのか、商談の進め方にあるのかまでは見えません。反対に、現場の声だけを頼りにすると、目立つ意見に引っ張られて全体の傾向を見誤ります。

そこで、次の2つを組み合わせて確認しましょう。

  • 数字:商談数、受注率、担当者別の成績を並べ、どの段階で数が落ちているかを見る
  • 現場:商談に同席し、マネージャーやメンバーとの1on1で、数字の背景にある行動や悩みを聞く

商談数が確保できていても受注率が低い場合は、商談の進め方に加え、ターゲットの適合性、案件の質、商品・価格の競争力も確認します。失注理由や実際の商談内容を比較し、営業活動と商品・サービスの両面から改善すべき点を見極めることが重要です。

止まっている箇所を先に特定しておけば、部長として最初に打つ施策が的外れになりません。メンバー一人ひとりの課題を、行動量・課題探索の深さ・顧客への応答の観点で切り分けたい場合は、CLF PARTNERSの営業戦闘力診断も活用できます。

期待値調整:経営層と「自分が何で評価されるか」を合意する

就任時には、部長である自分が何で評価されるのかを、経営層と言葉にしてすり合わせておきます。評価基準があいまいなまま走り出すと、組織づくりに時間を使っていたのに、期末には今期の売上だけで判断されるといったずれが起こりがちです。

特に決めておきたいのが、初年度に短期の数字と組織づくりのどちらを優先するかという点です。マネージャーの育成や仕組みづくりは、成果が数字に表れるまでに時間がかかります。「売上目標は維持しつつ、マネージャー2名を独り立ちさせる」のように両方の指標を合意しておけば、経営層の期待と自分の動き方を一致させられます。

右腕となるマネージャーの選定:最初に任せる人を見極める

最初に任せるマネージャーは、個人の営業成績ではなく、メンバーを動かせるかどうかを基準に選びます。トップセールスがそのままチームを伸ばせるとは限らず、自分で売るほうが早いと考えて部下の案件を引き取ってしまう人も少なくありません。

見極めるときは、次のような行動に注目してください。

  • 部下の商談を振り返り、次の行動を本人に考えさせている
  • チームの数字が悪いとき、原因を個人ではなく進め方に求めている
  • 部長の方針を、自分の言葉でメンバーに説明できている

右腕が決まれば、部長は戦略や他部門との調整に時間を割けるようになります。ただし、選んだマネージャーにも育成の機会は欠かせません。マネージャー層の育成を社内だけで進めにくい場合は、営業マネジメント研修の活用も検討してみてください。

部長になった直後は、数字を持っている人に任せたくなるものです。ただ、組織が伸びている支援先を見ると、右腕になっているのは成績はほどほどでも部下の話をよく聞ける人であることが多い印象です。売れる人と、売れる人を増やせる人は別だと考えて選ぶことをすすめています。

営業部長に関するよくある質問

ここでは、営業部長の役割や立場について、昇格前後の方からよく寄せられる質問に回答します。

営業部長はプレイヤー業務をどこまで手放すべきですか?

完全に手放す必要はありませんが、自分で数字をつくる役割から、マネージャーが数字をつくれる状態を整える役割へと比重を移すべきです。

判断の基準は、その業務が部長にしかできないかどうかです。決裁者同士の関係が受注を左右する大型案件は部長が担い、マネージャーが対応できる案件は任せて、マネージャーが経験を積む機会を残しましょう。

営業部長は組織の中でどのような位置づけですか?

営業部長は、一般に課長の上、本部長や役員の下に位置する役職です。課長やマネージャーが率いる複数のチームを束ね、営業部門全体の成果に責任を負います。

ただし、従業員数が数百名規模までの企業では本部長職を置かないことも多く、営業部長が営業組織のトップとして経営会議に参加するケースもあります。

営業部長の英語表記は何が適切ですか?

営業部長の英語表記は、Sales DirectorやHead of Salesが一般的です。

なお、Sales Managerは日本の課長やマネージャーに相当する役職として使われることが多い表記です。外資系企業では同じ肩書きでも権限の範囲が会社ごとに異なり、Sales Directorが国全体の営業責任者を指す場合もあれば、一地域の責任者を指す場合もあります。名刺や社外向けの資料では、自社での権限に合った表記を選びましょう。

「営業部長」と「営業部の部長」は役割が異なりますか?

多くの企業では、「営業部長」と「営業部の部長」は同じ役職を指し、社内での呼び方が違うだけです。

役割の範囲を決めるのは肩書きではなく、組織図や職務規程です。営業部が複数ある企業では「第一営業部の部長」のように担当範囲が限られることもあるので、自分の責任範囲は職務規程で確認しておくと迷いません。

まとめ|営業部長の役割は、成果を出し続ける営業組織をつくること

営業部長の役割は、戦略・組織・経営と現場をつなぎ、成果を出し続ける営業組織をつくることです。そのためには、課長時代の「自分で数字をつくる」働き方から、「マネージャーが数字をつくれる状態をつくる」働き方への切り替えが欠かせません。

本記事で特に押さえておきたいのは、経営目標を現場が動けるKPIに落とし込むこと、マネージャーを育てて任せる範囲を広げること、就任直後は現状把握と期待値調整を優先することの3点です。

とはいえ、マネージャー層の育成を自社だけで進めるのは簡単ではありません。CLF PARTNERSは累計400社以上、3,000人以上の営業パーソンを支援し、6カ月以内の成果にコミットしてきました。営業マネジメント研修の内容は、サービス紹介資料でご確認いただけます。
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この記事の監修者

CLF PARTNERS株式会社
代表取締役社長 松下 和誉

大学卒業後、大手総合系コンサルティングファームに入社。最年少で営業マネジャーに就任。中小企業から大手企業まで幅広くコンサルティング業務を実施。また、文部科学省からの依頼を受け、再生機構と共に地方の学校再生業務にも従事。 その後、米Digital Equipment Corporation(現ヒューレットパッカード)の教育部門がスピンアウトした世界9ヵ国展開企業のJAPAN営業部長代行として国内の最高売上に貢献。 現在は関連会社12社の経営参画と支援を中心に、グループの軸となるCLF PARTNERS㈱ではVC出資ベンチャー企業、大企業の新規事業の支援に従事
公式Xアカウント:https://x.com/clf_km


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