「リストの更新が追いつかず、古い情報のまま営業活動を続けている」
「情報がバラバラで、チーム全体の営業効率が上がらない」
「営業リストを作りたいが、どの項目を入れるべきかわからない」
このような悩みを抱える営業マネージャーやリーダーは多いのではないでしょうか。 デジタルトランスフォーメーションが加速する今日のビジネス環境において、単に顧客情報を集めるだけでは、持続的な営業成果は望めません。
そこで本記事では、エクセルやスプレッドシートを活用した効果的な営業リストの作成方法について、以下のテーマで詳しく解説していきます。
- 営業リストの基本的な考え方と導入による具体的なメリット
- 4ステップで実現する効果的な営業リストの作成・運用方法
- エクセル・スプレッドシートを活用した実践的な管理テクニック
また、CLF PARTNERS株式会社では、経験豊富なコンサルタントが、実践に即した支援を行っております。
- 「質の高い基礎データを効率的に入手したい」
- 「効果的な営業リストを短期間で構築したい」
- 「持続可能な運用体制を確立したい」
このような課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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目次
営業リストとは?
営業リストとは、インサイドセールスが商談を獲得するために必要な企業情報を一元管理したデータベースです。
企業名、代表者名、担当部署、担当者名、電話番号、メールアドレスなどの基本情報に加え、商談の進捗状況や受注確度といった営業活動の情報も含まれます。
単なる企業情報の一覧ではなく、営業活動全体を効率化するための重要なツールとして機能します。例えば、商談履歴や過去のアプローチ状況を記録することで、チーム内で情報を共有し、重複した営業アプローチを防げます。
このように、営業リストは商談獲得から受注までのプロセスを最適化するうえで、インサイドセールスにとって欠かせない存在です。
営業リストはなぜ必要?
適切に管理された営業リストがあれば、営業活動の効率化、ターゲット顧客の明確化、そしてチーム間の情報共有を実現できます。ここでは、営業リストの3つの重要な役割について詳しく解説していきます。
営業活動の効率化
営業リストを活用すれば、インサイドセールスの日々の営業活動を大幅に効率化できます。なぜなら、企業情報や過去の商談履歴、アプローチ状況が集約されているため、適切な優先順位をつけたり、最適なコミュニケーション方法を選択したりしやすくなるからです。
具体的には、以下のような業務の効率化が期待できます。
- 企業リサーチ時間の短縮
- 過去の商談履歴を活用した最適な提案内容の準備
- 受注確度に基づく優先順位付けによる時間配分の最適化
- 重複アプローチの防止による業務のムダ削減
- テレアポやメール送信の作業効率向上
- 案件進捗の即時把握と的確なフォロー
このように、営業リストは単なる情報の蓄積ではなく、インサイドセールスの業務を効率化するための重要なツールとして機能します。
ターゲット顧客の明確化
営業リストを活用すれば、商談獲得の可能性が高いターゲット顧客を明確に特定し、効果的にアプローチできます。
企業規模や業種、商談ステータス、過去の商談履歴などの情報を体系的に管理することで、自社のソリューションが最も価値を提供できる顧客層を把握できるからです。
例えば、過去の成約事例を分析することで、「IT業界の従業員100名以上の企業で、特定の課題を抱えている場合に成約率が高い」といったインサイトが得られます。逆に、商談が進まなかった事例を分析すれば、アプローチを避けるべき顧客像も明確になります。
このように、営業リストを活用した顧客像の可視化は、限られたリソースを最適に配分し、効率的に成果を上げるために不可欠です。
情報の一元管理によるチーム間の連携強化
営業リストを一元管理することで、インサイドセールスチームの連携が強化され、より効果的な営業活動が可能になります。なぜなら、すべてのメンバーが同じ情報にアクセスし、リアルタイムで最新状況を共有できるからです。
例えば、ある担当者が実施したアプローチ内容や、顧客から得た重要な情報、商談の進捗状況をチーム全体で即座に把握できます。
また、有望リードに対して過去の商談履歴を参照しながら別のメンバーがスムーズにフォローしたり、類似業界での成功事例を共有して提案の質を高めたりすることも可能です。
このように、営業リストの一元管理は、チーム内の円滑なコミュニケーションを促進し、組織全体の営業力向上に貢献する重要な要素となります。
質の高い営業リストの特徴
営業リストの質は、インサイドセールスの成果を大きく左右します。ここでは、質の高い営業リストに必要不可欠な3つの特徴を解説していきます。
最新の情報が反映されている
営業リストの品質を左右する最も重要な要素は、企業情報が常に最新の状態に保たれていることです。
しかし、Baseconnect株式会社の調査によると、実に4割の企業が古い情報のまま引き継がれた営業リストを使用していることが明らかになっています。これは、多くの企業が営業の効率を下げ、商談の機会を逃している可能性を示しています。
例えば、担当者の異動や退職による連絡先の変更、オフィス移転に伴う住所・電話番号の変更などは日常的に発生します。
こうした情報が更新されていないリストを使い続けると、無駄な営業活動が増えるだけでなく、重要な商談の機会を失うリスクも高まるでしょう。
そのため、企業の基本情報(住所、電話番号、担当者名など)を定期的に更新し、営業リストを常に最新の状態に維持することが、効果的な営業活動には不可欠です。
データの精度が高い
営業リストの価値を最大化するには、含まれる情報の正確性を徹底して担保することが不可欠です。なぜなら、誤った情報や重複データは、インサイドセールスの生産性を著しく低下させるだけでなく、顧客との信頼関係を損なうリスクを生むためです。
例えば、同じ企業に複数の担当者が重複してアプローチしたり、古い役職のまま連絡を取ったりすると、プロフェッショナルな印象を損なう原因になります。また、メールアドレスや電話番号の入力ミスは、重要な商談機会の損失につながります。
そのため、定期的なデータクレンジングを実施し、入力ルールを標準化することで、高い精度を維持する仕組みを整えることが重要です。
ターゲットが明確に絞り込まれている
質の高い営業リストには、自社の商材やサービスに最適な見込み客が戦略的にリストアップされている必要があります。
限られたリソースで最大の成果を上げるには、漠然と多くの企業にアプローチするのではなく、商談につながる可能性が高いターゲットに集中すべきだからです。具体的には、以下の観点でターゲットを絞り込むことが効果的です。
項目 | 詳細 |
---|---|
業種 | 自社ソリューションと親和性の高い業界 |
企業規模 | 従業員数や売上高から適切な規模を選定 |
課題感 | 自社が解決できる課題を抱えている企業 |
導入実績 | 類似企業で成功事例がある業種 |
成長性 | 業績が伸びている企業や新規事業に注力している企業 |
このように明確な基準を設定することで、商談の質を高め、成約率の向上につなげることができます。
営業リストの作り方を4STEPで解説
営業リストの作り方を4STEPで解説します。
- 必要項目の定義
- 作成方法の決定
- 情報の収集
- 情報のリスト化
STEP①:必要項目の定義
効果的な営業リストを作成するための第一歩は、必要な項目を明確に定義することです。インサイドセールスの成功には、企業の基本情報だけでなく、商談を効率的に進めるために必要な情報を体系的に管理する必要があるためです。
必要な項目は以下の4カテゴリーに分類されます。
カテゴリ | 詳細 |
---|---|
基本情報 | ・企業名・所在地・電話番号・業種・従業員数・売上高 |
担当者情報 | ・部署名・役職・氏名・メールアドレス・LinkedIn等のSNSアカウント |
商談管理情報 | ・過去の商談履歴・アプローチ状況・受注確度・商談ステータス・次回アクション |
分析用情報 | ・導入の課題/ニーズ・決裁権限者・予算規模・競合状況 |
このように必要項目を明確に定義することで、営業活動に必要な情報を漏れなく収集し、効率的な商談につなげることができます。
STEP②:作成方法の決定
営業リストの作成方法は、主にツールを活用する方法とエクセル・スプレッドシートを使用する方法の2つがあります。自社の規模や予算、必要な機能に応じて最適な方法を選択しましょう。
営業リスト作成ツール
営業リストの作成を効率化し、精度を向上させるには、専用ツールの活用が有効です。これらのツールには、企業データベースへのアクセス、重複チェック、自動更新など、インサイドセールスを支援する機能が備わっています。
特に、多くの見込み客にアプローチする場合や、チームで情報を共有する必要がある場合は、導入を検討すべきでしょう。
エクセルやスプレッドシートのテンプレート
一方、予算や規模に制約がある場合は、エクセルやGoogleスプレッドシートを活用するのが現実的です。基本機能で十分な場合や、少人数で運用するケースに適しています。
テンプレートを使用すれば、必要な項目の漏れを防ぎ、スムーズにリスト作成を始められます。また、カスタマイズが容易なため、自社の営業プロセスに合わせた最適化も可能です。
STEP③:情報の収集
質の高い営業リストを作成するには、複数の情報源から正確なデータを効率的に収集することが重要です。ここでは、3つの情報収集アプローチについて解説します。
1.営業リストの購入から始める
効率的な営業リスト作成の第一歩として、信頼性の高いデータベースの購入がおすすめです。なぜなら、自社でゼロからリストを作成する場合、 情報収集に膨大な時間と労力がかかる上に 情報の網羅性や正確性を担保するのが難しいためです。
例えば、Musubuのような企業データベースサービスを活用することで、以下のメリットが得られます。
- 140万件以上の高品質な企業情報
- 業種や規模による詳細な絞り込み機能
- データアナリストによる情報精度の担保
- エクセル形式でのダウンロードに対応
2. 追加情報の収集
基礎となる企業データベースを取得した後は、より深い商談につなげるために、各種情報源から追加情報を収集することが重要です。
なぜなら、企業の基本情報だけでなく、最新の動向や課題を把握することで、より効果的なアプローチが可能になるためです。具体的には、以下の情報源を活用します。
情報源 | 詳細 |
---|---|
企業の公式サイト | 経営方針や注力事業など、最新の方向性を把握 |
官公庁・地方自治体のデータベース | 信頼性の高い基本情報や公的認証情報を確認 |
業界団体のWebサイト | 業界特有の課題や規制動向を理解 |
ニュースサイトや企業プレスリリース | 事業展開や組織変更などの最新情報を収集 |
役員情報データベース | 意思決定者や主要なステークホルダーを特定 |
このように、多角的な情報を収集することで、企業理解を深め、より質の高い営業活動につなげることができます。
3. 自社データによる情報強化
購入したデータベースや外部情報に加え、自社が保有する独自データを統合することで、営業リストの価値を最大化できます。
自社データには他社では得られない固有の顧客接点情報が含まれており、これを活用することで、より精度の高いアプローチ戦略を立てることができるためです。具体的には、以下のような自社データを統合すると効果的です。
自社データ | 詳細 |
---|---|
過去の取引履歴 | 商材ごとの購入実績や取引規模、決裁プロセスなど |
セミナーや展示会などで獲得したリード情報 | セミナーでの接点情報、関心のあるソリューションや検討熟度 |
名刺交換データ | キーパーソンとの関係性や社内ネットワーク |
こうした自社固有のデータを活用することで、単なる企業情報のリストではなく、実際の商談につながる質の高い営業リストを構築できます。
STEP④:情報のリスト化
収集した情報を効果的な営業リストに変換するには、体系的な整理とデータの構造化が不可欠です。どれほど質の高い情報を集めても、適切に整理されていなければ、インサイドセールスの現場で十分に活用できません。
そのため、以下の手順でリスト化を進めます。
- データの標準化:企業名や役職名の表記ゆれを統一
- 情報の構造化:必須項目と付加情報を明確に区分
- 優先順位付け:商談可能性や案件規模に応じたランク分け
- アクセス権限の設定:情報の機密性に応じた閲覧制限を適用
- 更新ルールの策定:情報の鮮度を保つための運用ルールを設定
このように体系的なリスト化を行うことで、営業現場で即座に活用できる、実践的な営業リストを構築できます。
営業リストの作り方|エクセルやスプレッドシートでの作成・管理のコツ
エクセルやGoogleスプレッドシートを活用して、効率的な営業リスト管理を実現できます。特にGoogleスプレッドシートには、すぐに使える営業リスト用のテンプレートが用意されており、初めての方でも簡単に始められます。
アプローチの優先順位付け
効果的な営業活動を実現するには、営業リストの優先順位を適切に設定することが重要です。なぜなら、限られたリソースを最大限活用し、高い成果を上げるには、どの企業にいつアプローチするかを戦略的に判断する必要があるためです。
優先順位は、以下の基準に基づいて決定します。
- 受注確度(A/B/C などのランク分け)
- 企業規模や案件規模に応じた優先度設定
- 商談の進捗状況に応じた対応期限の設定
- 季節性や予算期などの時期的要因の考慮
エクセルやスプレッドシートを活用すると、管理が効率化できます。具体的には、以下の機能を利用すると便利です。
- 条件付き書式による優先度の色分け(高:赤、中:黄、低:青 など)
- プルダウンリストを使った統一的なランク付け
- 並べ替え機能による優先順位の可視化
このように体系的な優先順位付けを行うことで、チーム全体の営業活動をより効率的に進められます。
継続的な更新と最新化
営業リストの価値を維持するには、データの継続的な更新が不可欠です。企業情報や担当者の異動、商談状況は常に変化するため、古い情報のままでは効果的な営業活動ができません。
例えば、月次で定期更新日を設定し、連絡先や商談進捗などの重要項目を見直すことで、リストの精度を保てます。また、四半期ごとにデータクレンジングを実施し、重複データの削除や不要データの整理を行うと、リストの品質が向上します。
さらに、エクセルやGoogleスプレッドシートの条件付き書式を活用すれば、更新期限が近づいた項目を自動でハイライトし、更新漏れを防げます。
■Googleスプレッドシートでの設定方法
- 範囲を選択(例: B:B)
- [書式] → [条件付き書式] を選択
- カスタム数式を適用
=AND(B1-TODAY()<=7, B1>=TODAY())
※ 今日から7日以内の期限がある場合にハイライト - 書式(赤・黄色など)を設定
- [完了] をクリック
このように、計画的な更新と適切な管理体制を整えることで、営業リストを常に実用的なツールとして維持できます。
運用ルールの策定と共有
チームで営業リストを効果的に運用するには、明確なルールを策定し、共有することが重要です。複数のメンバーが同じリストを使用する環境では、データの整合性を保ち、質の高い情報を維持するために統一された運用基準が必要不可欠だからです。
定めるべき情報入力ルールは、以下の通りです。
- 企業名や役職名の表記統一
- データの更新頻度と期限の明確化
- 必須入力項目の定義
- 進捗状況の記録方法の標準化
- 特記事項の記入基準の設定
さらに、データ更新の責任者を明確にし、各メンバーのアクセス権限を適切に設定することで、誤った情報の入力や意図しないデータ削除を防げます。
エクセルやGoogleスプレッドシートでは、シート保護機能で編集範囲を制限したり、入力規則違反時にアラートを表示したりすることで、技術的にルールの遵守をサポートできます。
進捗の記録(エクセル・スプレッドシート使用の場合)
SFAなどの専用ツールがなくても、エクセルやスプレッドシートを活用すれば適切な進捗管理が可能です。日々の営業活動を一元管理することで、チーム全体での情報共有がスムーズになり、次のアクションを最適化できます。
記録すべき主な情報は以下の通りです。
- アプローチ履歴(テレアポ、メール、DMの実施日時・内容)
- 商談状況(獲得有無、実施日、次回アポイント)
- 会話の要点(課題、ニーズ、懸念事項)
- 意思決定者や関係者の情報
- 今後のアクションプラン
エクセルやスプレッドシートでは、データを日付順に整理し、フィルター機能を活用することで、必要な情報を迅速に検索できます。また、重要な会話内容はセルのコメント機能を使って補足するのも効果的です。
このように、専用ツールがなくても、工夫次第で効果的な進捗管理と情報共有を実現できます。
まとめ|効果的な営業リスト作成で持続的な営業成果を実現
エクセルやスプレッドシートを活用した営業リストの作成・管理は、インサイドセールスの業務効率化と成果最大化を実現する重要な取り組みとして注目されています。
成功のポイントは、必要項目の定義、作成方法の決定、情報の収集、そして情報のリスト化という4つのステップを着実に実行することです。さらに、アプローチの優先順位付けや継続的な更新、運用ルールの策定など、実践的な管理手法を確立することが重要です。
しかしながら、効果的な営業リスト運用体制を確立し、持続的な成果を創出するためには、専門的な支援が不可欠です。
CLF PARTNERS株式会社では、豊富な実績を持つコンサルタントが、営業リストの作成から運用体制の構築まで、実践的なサポートを提供しております。
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この記事の監修者

CLF PARTNERS株式会社
代表取締役社長 松下 和誉
大学卒業後、大手総合系コンサルティングファームに入社。最年少で営業マネジャーに就任。中小企業から大手企業まで幅広くコンサルティング業務を実施。また、文部科学省からの依頼を受け、再生機構と共に地方の学校再生業務にも従事。 その後、米Digital Equipment Corporation(現ヒューレットパッカード)の教育部門がスピンアウトした世界9ヵ国展開企業のJAPAN営業部長代行として国内の最高売上に貢献。 現在は関連会社12社の経営参画と支援を中心に、グループの軸となるCLF PARTNERS㈱ではVC出資ベンチャー企業、大企業の新規事業の支援に従事
公式Xアカウント:https://x.com/clf_km