インサイドセールス

インサイドセールスとは?役割やメリット、導入ポイントをわかりやすく解説

インサイドセールスは、電話やメール、ビデオ会議ツールなどを活用した非対面の営業手法です。現代のビジネス環境に適応した戦略として注目を集めており、コスト削減や生産性向上といったメリットがあります。本記事では、インサイドセールスの導入を検討している方へ向けて、概要や導入のポイント、成功事例を解説します。

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インサイドセールスとは?

インサイドセールスは、非対面で行われる営業活動のことです。電話やメール、ビデオ会議などを使用して、見込み客の発掘から育成、商談設定までを行います。従来の訪問営業と異なり、多くの見込み客に同時にアプローチでき、効率的に営業活動を展開できます。

例えば、1日に10件の訪問をこなすのは困難ですが、インサイドセールスなら30〜40件の見込み客とコンタクトを取ることも可能です。

また、データ分析を活用して見込み客の興味や行動を把握し、タイミングよく適切な情報を提供することで、効果的に見込み客を育成できます。

テレアポとの違い

テレアポとインサイドセールスは、どちらも電話を使用する点で似ていますが、目的と方法に大きな違いがあります。

テレアポは主にアポイント獲得に焦点を当て、短時間で多くの電話をかけることを重視します。一方、インサイドセールスは見込み客との関係構築から始まり、ニーズの深掘り、情報提供、商談設定まで一連のプロセスを担当

例えば、テレアポでは「新製品についてご案内したいのですが」とアポイントや資料送付の獲得に注力するのが一般的です。これに対しインサイドセールスでは、「貴社のWebサイトを拝見し、〇〇事業に注力されているようですが、その分野での課題はございますか?」と、顧客の状況やニーズを理解することを重視します。

フィールドセールスとの違い

インサイドセールスとフィールドセールスの主な違いは、顧客との接点の持ち方にあります。

フィールドセールスが対面での営業を主とするのに対し、インサイドセールスは非対面のコミュニケーションを基本としています。インサイドセールスは、広範囲の顧客にアプローチし、初期の関係構築から見込み客の育成までを担当。

例えば、ウェビナーを開催して多数の見込み客に一度にアプローチしたり、メールマーケティングで継続的に情報を提供したりするのが特徴です。一方、フィールドセールスは複雑な提案やクロージングなどで強みを発揮します。

多くの企業では、インサイドセールスで見込み客を育成し、ある程度検討が進んだ段階でフィールドセールスに引き継ぐ営業プロセスを採用しています。この方法により、限られたリソースを適切に配分し、成果を上げられるようになるのです。

インサイドセールスが注目される背景

インサイドセールスが注目を集める背景には、社会と経済の急速な変化があります。

デジタル化の進展により、顧客の購買行動が大きく変わりました。例えば、スマートフォンで簡単に製品情報を比較検討できるようになり、顧客主導の購買が主流になっています。

また、少子高齢化による労働力不足と働き方改革の推進により、営業活動の効率化が急務となっています。

インサイドセールスは、場所を選ばず業務を行えるため、テレワークとの相性も良く、これらの課題解決に適しているのです。このように、効率化と迅速な対応が求められる現代の営業環境において、インサイドセールスは重要な役割を果たします

インサイドセールス導入のメリット

インサイドセールスの導入は、営業活動に多くの利点をもたらします。主なメリットは以下の通りです。

  • 営業効率の向上
  • 顧客対応数の増加
  • コスト削減

デジタルツールを活用することで、従来よりも多くの商談をこなすことが可能になります。移動時間の削減により、営業コストを抑えることもできるでしょう。

また、データ分析を通じて見込み客の優先順位付けが可能となり、成約率の向上も期待できます。テレワークとの親和性が高いため、地理的制約を受けずに人材を確保できる利点も。

これらの特徴により、インサイドセールスは特に中小企業や新規事業立ち上げ時に欠かせない営業手法と言えるでしょう。

インサイドセールス導入のデメリット

一方で、インサイドセールスには、以下のような課題もあります。

  • 情報共有システムの構築が必要
  • 新たなスキルセットの習得に時間がかかる
  • 顧客との信頼関係の構築がやや難しい

顧客データの一元管理システムの導入には、投資が必要です。

また、データ分析やオンラインコミュニケーションスキルの習得には時間を要します。非対面のため、顧客との信頼関係構築に時間がかかる可能性もあるでしょう。

これらの課題に対しては、段階的な導入や継続的なトレーニングプログラムの立案・実施が効果的です。適切に運用できれば、インサイドセールスは従来の営業手法を補完し、全体的な営業パフォーマンスを向上させることが可能です。

インサイドセールスの主な役割と業務内容

インサイドセールスの主な役割は効率的な営業プロセスの構築です。具体的な業務内容は以下の通りです。

インサイドセールスの主な役割業務内容
リードジェネレーション
(潜在顧客の発掘)
Webセミナーの開催やDM送付によって見込み客を獲得する
リードクオリフィケーション
(見込み顧客の選別)
行動データや企業情報を分析し、商談可能性の高い顧客を特定する
リードナーチャリング
(見込み顧客の育成)
定期的な情報提供や問い合わせ対応を通じて、顧客の購買意欲を高める

これらの活動を通じて、インサイドセールスは質の高い見込み顧客をフィールドセールスに引き継ぎ、営業全体の効率と成果を向上させる重要な役割を果たします。

インサイドセールスの種類

インサイドセールスには、SDRとBDRの2種類があります。

インサイドセールスの種類SDR
(Sales Development Representative)
BDR
(Business Development Representative)
営業タイプPULL型(反響型)PUSH型(新規開拓型)
対象顧客顕在顧客潜在顧客
営業手法電話、メール、メルマガ電話、手紙、ダイレクトメール
難易度やや低めやや高め

SDR

SDRは、既に自社に興味を示している顕在顧客を対象とする反響型営業です。例えば、ウェブサイトからの問い合わせやセミナー参加者など、自社との接点がある顧客にアプローチします。

主に電話やメールを使用し、顧客のニーズを深掘りしながら、商談につなげていきます。顧客の購買意欲が比較的高いため、成果を上げやすいのが特徴です。

ただし、スピーディな対応と的確なコミュニケーションスキルが求められます。SDRは、質の高いリードを効率的に商談段階まで導くことで、営業プロセス全体の最適化に貢献します。

BDR

BDRは、まだ自社を知らない潜在顧客を開拓する新規開拓型営業です。例えば、業界データベースや展示会の参加者リストなどを活用し、ターゲット企業を特定します。

主に電話や手紙を使用し、自社の認知度向上から始めて、徐々に興味を喚起していきます。顧客の購買意欲が不明なため、粘り強いアプローチが必要です。

BDRは、新たな市場や顧客層の開拓に重要な役割を果たし、企業の長期的な成長を支えます。

インサイドセールスと相性の良い商材

インサイドセールスは主にBtoBビジネスで効果を発揮し、以下のような商材と相性が良いです。

  • 月額制サービス(例:SaaS)
  • 高単価商材(例:企業向けITソリューション)
  • 無形商材(例:保険)

これらは顧客育成や情報提供が重要な役割を果たす商材です。

一方、低単価商材やシステム開発などはインサイドセールスと相性が良くありません。低単価商材は即決で購入されることが多く、インサイドセールスの長所を活かしにくいためです。システム開発は顧客ごとのカスタマイズが必要で、システム開発は顧客ごとに要件が大きく異なるため、一般的な説明や提案方法を決めにくく、効率的な営業活動が難しい傾向があります。

インサイドセールス導入のポイント

ポイント

目的・目標の明確化

インサイドセールス導入の際は、まず具体的な目的と数値目標を設定することが重要です。

例えば、「新規顧客獲得数を20%増加させる」や「商談成約率を15%向上させる」といった明確な目標を掲げましょう。これにより、チーム全体の方向性が統一され、進捗管理も容易になります。

また、短期・中期・長期の目標を設定し、段階的に成果を追える仕組みを作ることで、従業員のモチベーション維持にもつなげられます。目標は定期的に見直し、市場状況や自社の成長に合わせて調整することが大切です。

営業プロセスの見える化・定義付け

インサイドセールスの効果を最大化するには、営業プロセスの各段階を明確に定義し、見える化することが不可欠です。

特に重要なのは、有効/無効リードや案件化、商談化などをしっかり定義づけし、他部門と共通認識を持つこと

例えば、「予算確認ができたリードを有効とする」「製品デモの依頼があった時点で案件化とする」など、明確な基準を設けましょう。

どの段階で案件化するのか、どのような状態を商談化とみなすのかなど、具体的な条件を定めることで、チーム内での認識の統一が図れ、効率的な営業活動が可能になります。また、定期的にプロセスを見直し、改善することで、さらなる効率化を図れます。

顧客情報の整理

インサイドセールスで成果を出すには、顧客情報の管理を正確に行わなければなりません。

獲得したリードの基本情報や問い合わせ内容、商談の進捗状況、フォローアップの履歴など、あらゆる接点の情報を一元管理します。

例えば、CRMツールを活用し、顧客のステータス(検討中、商談中、成約済みなど)を常に最新の状態に保ちます。これにより、適切なタイミングでの効果的なフォローアップが可能になり、成約率の向上につなげることが可能です。チーム内での情報共有も円滑になり、一貫性のある顧客対応ができるようになります。

部門間との連携と役割分担の確認

インサイドセールスの効果を最大化するには、マーケティング部門やフィールドセールス部門との密な連携が不可欠です。

例えば、マーケティング部門とは獲得リードの質や量について、フィールドセールス部門とは商談の受け渡し基準について、明確な合意を形成します。

部門間で共通のKPI(例:商談獲得数)を設定し、定期的なミーティングを実施することで、一体感のある営業活動を実現できます

ITツールの活用

インサイドセールスの効率を高めるには、ITツールの活用が欠かせません。

例えば、CRMシステムで顧客情報を一元管理し、MAツールで顧客の行動を追跡、分析します。さらに、通話管理システムで通話品質を向上させ、ビデオ会議ツールでオンライン商談の効率を上げることが可能です。

これらのツールを統合的に活用することで、データに基づいた戦略的な営業活動が可能になるでしょう。ツールの選定には自社のニーズと予算を十分に検討し、段階的に導入することが成功のカギとなります。

インサイドセールスのためのツール

パソコンで業務を行っている女性

名刺管理ツール

名刺管理ツールは、ビジネス接点で得た顧客情報をデジタル化し、組織全体で共有・活用できるツールです。

紙の名刺を即座にデータ化し、正確な顧客情報をクラウド上で一元管理することで、営業活動の基盤を強化することが可能です。これにより、顧客情報の検索や更新が容易になり、タイムリーにフォローアップできるようになります。

代表的なツールとしては「Sansan」があり、AI技術を活用した高精度なデータ化と豊富な機能で、多くの企業に採用されています。

SFA/CRM

SFA(営業支援システム)とCRM(顧客関係管理システム)は、営業プロセス全体を効率化できるツールです。

見込み客の発掘から商談、契約、アフターフォローまでの流れを一元管理し、営業活動の可視化と分析ができるようになります。営業担当者の属人的なスキルに依存せず、組織として一貫した顧客対応が可能になるのがメリットです。

代表的なツールは「Salesforce」。柔軟なカスタマイズ性と豊富な機能で、様々な規模の企業に対応しています。

ABMツール

ABM(Account Based Marketing)ツールは、重要度の高い特定の顧客に焦点を当てたマーケティング戦略を支援するツールです。

個別化されたアプローチを可能にし、効率的にターゲティングできるようになります。限られたリソースを最も重要な見込み客に集中させ、高い投資対効果を得ることが可能です。

代表的なツールとしては「forcas」があり、企業データベースと連携した高度な分析機能で、戦略的なアカウント選定をサポートしてくれます。

MAツール

MAツール(Marketing Automation)は、マーケティング活動を自動化し、効率化するためのツールです。

リードの獲得や育成、スコアリングなど、マーケティングの各段階を自動化することで、顧客育成と質の高いリードの創出を支援。顧客の行動データを分析し、適切なタイミングで最適なコンテンツを提供することで、成約率の向上を図ります。

また、インサイドセールスとの連携により、営業活動の効率化にも貢献します。代表的なツールは「HubSpot」。幅広い機能と柔軟な統合性で、多様なマーケティングニーズに対応しています。

WEB会議ツール

WEB会議ツールは、リモートでの商談や顧客とのコミュニケーションを円滑に行うためのツールです。

高品質な音声・映像通話に加え、画面共有、チャット、録画機能などを搭載しており、対面でのコミュニケーションに近い体験を実現します。

地理的な制約を超えた効率的な営業活動が可能になり、移動時間やコストの削減にも貢献します。代表的なツールは「Zoom」。使いやすいインターフェースと高度なセキュリティ機能で、ビジネス利用に広く採用されています。

インサイドセールスの成功事例

BEAMS:インサイドセールスにより顧客の来店頻度が上昇

アパレル企業のBEAMSは、顧客とのつながりを強化するためにSalesforceを導入しました。

導入後は、まずメール配信の自動化で情報提供を効率化。次に、コールセンターと店舗のシステムを統合し、顧客対応を一元化しました。さらに、店舗スタッフが直接顧客に個別最適化されたメッセージを送れる仕組みを導入。

オンラインとオフラインの購買データを組み合わせ、顧客の好みに合った商品提案を行えるようにもなったのです。結果として、顧客の来店頻度が増加し、長期的な信頼関係の構築に成功しました。

参照:Salesforce

三菱倉庫:アポイント獲得数が2倍に増加

三菱倉庫は、部門間で顧客情報が共有されていない課題を解決するため、名刺管理ツールSansanを全社導入しました。

導入後は個人で管理していた名刺をデータベース化し、全社で共有することで、営業活動の効率化を図りました。結果、コールドコールのアポイント獲得数が2倍以上に増加

さらに、メール配信機能を活用したマーケティングにより、新規案件の創出にも成功しました。Sansan導入は、成約率や案件化率の向上だけでなく、社員の意識改革や部門間連携の強化にもつながり、組織全体の変革を促進しています。

参照:Sansan

まとめ|インサイドセールスを導入して営業効率を高めよう

インサイドセールスは、デジタル時代に適応した営業手法です。本記事では、その定義から導入のポイント、成功事例まで幅広く解説しました。

非対面でありながら顧客との関係構築を可能にし、コスト削減と生産性向上を実現するこの手法は、多くの企業で注目を集めています。導入を成功させるには、明確な目標設定と適切なツール選択が不可欠です。

おすすめのインサイドセールス代行会社について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

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CLF PARTNERSは、350社以上の営業課題の解決を実現してきたノウハウをもとに様々な企業の営業課題の解決をサポートしてきました。インサイドセールス代行を検討されている方は、ぜひCLFPARTNERSにご相談ください

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この記事の監修者

CLF PARTNERS株式会社
代表取締役社長 松下 和誉

大学卒業後、大手総合系コンサルティングファームに入社。最年少で営業マネジャーに就任。中小企業から大手企業まで幅広くコンサルティング業務を実施。また、文部科学省からの依頼を受け、再生機構と共に地方の学校再生業務にも従事。 その後、米Digital Equipment Corporation(現ヒューレットパッカード)の教育部門がスピンアウトした世界9ヵ国展開企業のJAPAN営業部長代行として国内の最高売上に貢献。 現在は関連会社12社の経営参画と支援を中心に、グループの軸となるCLF PARTNERS㈱ではVC出資ベンチャー企業、大企業の新規事業の支援に従事
公式Xアカウント:https://x.com/clf_km


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