「営業代行を検討しているけど、成果報酬型と固定報酬型、どちらを選ぶべきかわからない」
そんな疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
結論、目的や課題、予算に応じて、企業ごとに最適な料金形態は異なります。本記事では、成果報酬型と固定報酬型に加えて、複合型の3つについて、特徴や費用相場、メリット・デメリット、向いている企業を解説します。
営業代行会社の選び方と注意点も紹介するので、ぜひお役立てください。
関連記事:営業代行会社16社を徹底比較!費用相場やメリット、各社の特徴などを徹底解説
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目次
営業代行を利用する理由
近年、営業代行を利用する企業が増えています。その主な理由は、自社の営業リソースの不足を補い、継続的に新規顧客を獲得するためです。
例えば、中小企業やスタートアップでは、専門の営業部門を持つ余裕がなかったり、既存の営業チームが顧客対応に追われて新規開拓に手が回らなかったりすることがあります。
営業代行を活用することで、コスト効率を高めながら営業活動を展開でき、自社のコア業務に集中することが可能です。さらに、豊富な経験を持つ外部の営業力を借りることで、営業スキルの向上や新たな営業手法の導入など、自社の営業力強化にもつながります。
このように、営業代行は企業の成長戦略を支えるための重要な手段となっているのです。
営業代行の3つの報酬形態

営業代行には主に以下3つの報酬形態があります。
- 成果報酬型
- 固定報酬型複合型
- 複合型
成果報酬型は成果に応じて費用が発生し、固定報酬型は毎月一定額を支払います。複合型はこれらを組み合わせたものです。特徴や費用相場、メリット・デメリット、向いている企業をそれぞれ解説します。
成果報酬型の営業代行
成果報酬型の営業代行は、顧客数、案件数、コール数、受注金額などに応じて費用が発生する料金形態です。
多くの場合、DMの配信数や商談アポの獲得数を成果報酬の基準としています。この形態では、成果が出るまで費用が発生しないため、企業側はリスクを抑えられるのがメリットです。また、成果に直結するため、営業代行会社側も積極的に成果を追求する傾向があります。
特徴 | 成果に応じて費用が発生する |
費用相場 | 1アポ1件:1.5~2万円、受注時:売上の30~50% ※顧客の企業規模やアポ相手の役職に応じて料金設定が変わるケースもあります |
メリット | ・リスクが低い ・インセンティブが働く ・費用対効果がわかりやすい |
デメリット | ・コミュニケーションの質が下がる可能性がある ・費用を予測しづらい ・営業活動が偏る可能性がある |
向いている企業 | ・特定のKPIのみを達成したい ・短期間で集中的に成果を出したい ・初期投資を抑えたい |
メリット
成果報酬型のメリットは以下の通りです。
- 費用面のリスクを抑えられる:成果が出なければ費用が発生しないため、企業側の財務リスクを下げられる。特に、新規事業や未知の市場に参入する際に有効。
- インセンティブ効果が働く:営業代行会社は、成果が出なければ報酬を得られないため、より積極的に成果を追求する。
- 費用対効果がわかりやすい:獲得したアポイント数や受注数に対する費用が明確なため、費用対効果を測定しやすくなる。
デメリット
成果報酬型のデメリットは以下の通りです。
- コミュニケーションの質が下がる可能性がある:成果を重視するあまり、リードの質が低下するおそれがある。短期的な成果を追求するあまり、長期的な顧客関係構築が疎かになる場合も。
- 費用を予測しづらい:成果が予想以上に出た場合、想定以上の費用がかかる可能性があるので、予算管理が難しくなる。
- 営業活動が偏る可能性がある:成果が出やすい案件や顧客にばかり注力し、難易度の高い案件や新規開拓などが後回しになる可能性がある。
成果報酬型が向いている企業
成果報酬型の営業代行は、以下のような企業に適しています。
- 商談アポの獲得のみなど、特定のKPIのみを達成したい
- 新製品のローンチや特定キャンペーンなど、短期間で集中的に成果を出したい
- 初期投資を抑えたい、または成果に応じた報酬のみを支払いたい
固定報酬型の営業代行
固定報酬型の営業代行は、毎月一定額の報酬を営業代行会社に支払う料金形態です。
この形態では、成果の有無に関わらず定額の費用が発生します。稼働するメンバー1人当たりの月額料金が設定されるのが一般的です。固定報酬型は、長期的な視点で営業活動を展開したい企業や、営業ノウハウの提供を受けたい企業に適しています。
特徴 | 毎月一定額を支払う |
費用相場 | 1人当たり50~60万円/月 |
メリット | ・予算を管理しやすい ・営業力を底上げできる ・代行会社と長期的なパートナーシップを構築しやすい |
デメリット | ・成果にかかわらず費用が発生する ・成果へのインセンティブがやや弱い |
向いている企業 | ・営業組織や営業プロセスなど営業活動全体を改善したい ・営業力の根本的な強化を目指したい ・持続的な成長や顧客との長期的な関係構築を重視している ・商品知識の習得や営業プロセスの実行が複雑で高難度 |
メリット
固定報酬型のメリットは以下の通りです。
- 予算を管理しやすい:予想を上回る成果が出ても、事前に決めた報酬額で済むため、予算管理がしやすい。
- 成果以外の課題解決も期待できる:数値目標の達成だけでなく、営業プロセスの改善や組織力の向上など、より包括的な支援を受けられる。
- 委託先と信頼関係を構築できる:長期的なパートナーシップを構築しやすくなり、信頼関係が深まる。協力体制を築くことができ、時間とともに成果が向上する可能性が高まる。
デメリット
固定報酬型のデメリットは以下の通りです。
- 成果に関わらず費用が発生する:成果が出なくても、毎月一定額の支払いが必要となる。短期的な成果を求める企業にとってはリスクとなる場合も。
- 成果へのインセンティブが弱い:固定報酬のため、成果報酬型と比べて営業代行会社側の積極性が低くなる可能性がある。
固定報酬型が向いている企業
固定報酬型の営業代行は、以下のような企業に適しています。
- 成果を出してもらうだけでなく、営業組織や営業プロセスなど営業活動全体を改善したい
- 営業力の根本的な強化を目指したい
- 一時的な成果よりも、持続的な成長や顧客との長期的な関係構築を重視している
- 商品知識の習得や複雑な営業プロセスの実行に時間がかかる
複合型の営業代行
複合型の営業代行は、固定報酬型と成果報酬型を組み合わせた料金形態です。
一般的に、基本となる固定報酬に加えて、成果に応じた報酬が発生します。安定した営業活動の基盤を確保しつつ、成果に応じたインセンティブも提供することができるため、バランスの取れた報酬形態といえます。
特徴 | 成果報酬型と固定報酬型を組み合わせた料金形態 |
費用相場 | 固定費(固定報酬型型の30~60%)+成果報酬 |
メリット | ・リスクを抑えつつ安定した稼働を維持できる ・固定費がある分、成果報酬が低めに設定される ・予算に合わせたプランを選べる |
デメリット | ・固定報酬と成果報酬があり、料金形態が複雑になる ・成果がゼロでも費用がかかる |
向いている企業 | ・安定的に稼働してもらいつつ、KPIを達成してもらいたい ・純粋な成果報酬型では不安がある ・長期的なパートナーシップを築きつつ、成果も求めたい ・予算や目標に応じて柔軟に対応したい |
メリット
複合型のメリットは以下の通りです。
- リスクを抑えながら安定した稼働を確保できる:固定報酬部分により、一定の営業活動が保証される。同時に、成果報酬部分によって、より高い成果を目指すモチベーションも維持できる。
- 費用を抑えられる:固定費がある分、変動費(成果報酬)が低めに設定されることが多い。成果が出た場合でも、純粋な成果報酬型と比べてトータルで相対的に安くなる可能性がある。
- 予算に合わせたプランを選べる:固定報酬と成果報酬の割合を調整することで、企業の予算や目標に合わせてカスタマイズできる。
デメリット
複合型のデメリットは以下の通りです。
- 料金体系が複雑になる:費用対効果の計算や予算管理が難しくなる可能性がある。
- 成果がゼロでも月額費用がかかる:固定報酬部分があるため、成果が出なかった場合でも一定の費用が発生する。
複合型が向いている企業
複合型の営業代行は、以下のような企業に適しています。
- ある程度安定的に稼働してもらいつつ、KPIを達成してもらいたい
- 完全な固定報酬型ほどのリスクは負いたくないが、純粋な成果報酬型では不安がある
- 営業代行会社との長期的なパートナーシップを築きつつ、成果も求めたい
- 固定報酬と成果報酬の割合を調整することで、予算や目標に応じて柔軟に対応したい
営業代行会社の選び方と注意点

営業課題と代行の目的を明確にする
営業代行会社を選ぶ際は、まず自社の営業課題と代行の目的を明確にしましょう。
例えば、新規顧客の獲得が難しい、既存顧客のフォローアップが不十分、営業組織の効率化が必要など、具体的な課題を特定します。次に、その課題解決のために営業代行に何を期待するかを明確にします。新規リードの獲得なのか、商談の成約率向上なのか、営業プロセスの改善なのかを決めるのです。
これらを明確にすることで、代行会社との打ち合わせ時に、自社のニーズを的確に伝えることができ、より効果的な提案を受けられる可能性が高まります。
予算で判断する
営業代行会社を選ぶ際、予算は重要な判断基準です。
まず、自社が営業代行に充てられる予算の上限を設定します。次に、その予算内で最大の効果を得られる報酬形態を検討します。例えば、固定報酬型は毎月一定額を支払うため、長期的な視点で安定した運営を期待することが可能です。
一方、成果報酬型は成果に応じて費用が発生するため、初期投資を抑えられますが、成果が出た場合に高額になる可能性があります。予算と期待する成果のバランスを考慮し、最適な報酬形態を選ぶのが大事です。
複数の営業代行会社の見積もりを比較し、同じ予算でより多くの価値を提供してくれそうな会社を選びましょう。
代行会社の実績と得意分野の確認する
営業代行会社を選ぶ際は、その会社の実績と得意分野を詳細に確認することが重要です。
まず、代行会社のWebサイトを参照し、過去の実績を調べます。特に、自社と似た業界や同程度の規模の企業での成功事例に注目します。次に、代行会社との面談時に、具体的な数字を含む詳細な実績を確認しましょう。例えば、リード獲得数、商談成約率、売上増加率などです。
さらに、代行会社が特に強みを持つ分野(BtoBかBtoCか、特定の業界など)を確認し、自社のニーズと合致するかを判断します。
これらの情報を総合的に評価し、自社の目標を達成できる見込みの高い代行会社を選びましょう。
実務担当者と面談をする
営業代行会社を選ぶ際、実際に業務を担当するコンサルタントやPMと直接面談することが極めて重要です。
なぜなら、成果は個々の担当者の能力に大きく左右されるためです。面談では、担当者の経験や専門知識、コミュニケーション能力を確認しましょう。例えば、自社の商品やサービスに対する理解度や、過去の類似案件での成功事例などをヒアリングしてみるのがおすすめです。
担当者との相性も重要な要素です。円滑なコミュニケーションが取れるか、自社の文化や価値観と合致するかを判断します。担当者が交代する可能性についても確認しておくのが良いでしょう。
会社全体の実績が優れていても、実際に割り当てられる担当者が期待に沿わない可能性があるため、この面談は非常に重要です。
定期的にコミュニケーションを取る
営業代行会社との協力関係を築くには、定期的なコミュニケーションが不可欠です。
まず、週次や月次など定期的な報告会議のスケジュールを設定します。会議では、KPIの達成状況や課題、改善点などを議論しましょう。
また、営業プロセスの開示を求め、各ステップでの進捗や課題を把握するのも大事です。問題が発生した場合は、迅速に対応策を協議します。
さらに、SlackやChatworkなどのチャットツールを導入し、こまめにコミュニケーションを取れる仕組みを設けるのも効果的です。密なコミュニケーションにより、スピーディに物事を進められます。
まとめ
本記事では、営業代行の主要な3つの形態—成果報酬型、固定報酬型、複合型—について詳しく解説しました。
営業代行会社を選ぶ際は、自社の課題と目標を明確にし、予算を考慮しつつ、代行会社の実績や得意分野を確認することが重要です。実務担当者との面談や定期的なコミュニケーションも忘れてはいけません。
おすすめの営業代行会社について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。
関連記事:営業代行会社16社を徹底比較!費用相場やメリット、各社の特徴などを徹底解説
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この記事の監修者

CLF PARTNERS株式会社
代表取締役社長 松下 和誉
大学卒業後、大手総合系コンサルティングファームに入社。最年少で営業マネジャーに就任。中小企業から大手企業まで幅広くコンサルティング業務を実施。また、文部科学省からの依頼を受け、再生機構と共に地方の学校再生業務にも従事。 その後、米Digital Equipment Corporation(現ヒューレットパッカード)の教育部門がスピンアウトした世界9ヵ国展開企業のJAPAN営業部長代行として国内の最高売上に貢献。 現在は関連会社12社の経営参画と支援を中心に、グループの軸となるCLF PARTNERS㈱ではVC出資ベンチャー企業、大企業の新規事業の支援に従事
公式Xアカウント:https://x.com/clf_km