人材育成・研修
営業がうまくいかず、自分には向いていないのではと悩んでいませんか。営業で成果が出ない背景には、顧客の課題を十分に理解できていないことや、断られることへの不安、事前準備の不足があります。
この記事では、前半で営業がうまくいかない原因や個人で取り組める改善方法を、後半で部下の育成に悩むマネージャー向けに、効果的な指導方法や育成のポイントをわかりやすく解説します。
営業ができない・成果が出ないと感じる主な原因は?
営業ができないと感じる主な原因は、顧客理解の不足、断られることへの恐怖、事前準備の不足の3つです。いずれも才能だけで決まるものではなく、行動や準備の見直しによって改善を目指せます。
顧客の課題を本質まで掘り下げられていない
株式会社NEXER GroupとCLF PARTNERS株式会社が2026年7月16日~7月23日に実施した調査で、BtoB営業の担当経験者50名に受注できた商談の要因を聞いたところ、以下の結果となりました(複数回答可)。
● 「顧客の課題を正しく理解できていた」54.0%
● 「担当者との信頼関係を築けた」52.0%
● 「提案内容の質が高かった」30.0%
● 「費用対効果を分かりやすく示せた」30.0%
● 「価格面で優位性があった」26.0%
顧客が口にする要望をそのまま受け取るだけでは、相手に合った提案をしにくくなります。要望の背景にある仕事上の困りごとや目的まで聞けていないと、他社との違いを伝えにくくなり、価格だけで比較されやすくなります。
アンケート引用:【BtoB営業に関する調査】失注の要因は「価格が高かった」「競合との差別化ができなかった」がともに22.0%。「顧客に選ばれる法人営業」とは?
断られることを怖がっている
断られる怖さから、踏み込んだ質問やクロージング(契約の意思確認)を避けてしまう人は少なくありません。その結果、相手の本音を十分に確認できず、提案も的外れになりやすくなります。
断られたときは、自分自身を否定されたと考えるのではなく、今回の提案内容やタイミング、条件が相手に合わなかったと分けて考えることが大切です。必要以上に断られることをおそれず質問できるようになると、顧客の課題や不安に感じている点も把握しやすくなります。
準備や計画が不足している
顧客企業や業界の動向を調べず、相手が抱えていそうな課題を予想しないまま商談に臨むと、その場任せの会話になりやすくなります。結果として、相手の課題に合った質問もしにくくなります。
大がかりな資料づくりは不要です。商談前に顧客が困っていそうなことを3つほど予想し、確認したい質問と商談後に目指す状態を決めておくだけでも、会話を進めやすくなります。
営業ができない状態を改善するには、何を意識すべき?
まず取り組みたいのは、自分が話す量を減らして、相手の話を聞く時間を増やすことです。そのうえで質問の型に沿って聞くと、相手がまだはっきり言葉にできていない悩みや要望まで確認しやすくなります。
自分が話す量を減らす
営業は「うまく話す仕事」と思われがちですが、顧客の課題がわからなければ、商品説明が上手でも響きません。自社商品の説明は相手の課題に関係する部分に絞り、残りの時間は質問に使いましょう。
ただし、聞くだけで終わっては営業になりません。聞き取った内容をふまえて解決策を示してはじめて、役割を果たせます。あらかじめ質問を用意しておくと、自然と聞く量が増えます。
質問の型に沿って聞く
相手の悩みや要望を深く聞くための代表的な型が、SPIN話法です。
状況(Situation)、問題(Problem)、示唆(Implication)、解決の必要性(Need-payoff)の順に質問し、顧客自身が課題の大きさに気づけるよう会話を進めます。
一方、BANTは予算(Budget)、決裁権(Authority)、ニーズ(Needs)、導入時期(Timeframe)を確認するためのフレームワークです。SPIN話法で課題を深く聞き、BANTで商談を進めるための条件が整っているかを確認すると、担当者による聞き方のばらつきを抑えやすくなります。
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営業で断られたときは、どう対応すればいい?
営業で断られたときは、すぐに反論や再提案をするのではなく、まず相手の言葉を受け止めてから、見送った理由を確認することが大切です。さらに、その理由を記録して次の商談に活かすことで、提案内容の改善につなげられます。
共感してから理由を深掘りする
断り文句に「しかし」と反論すると、相手は身構えてしまいます。まずは「おっしゃるとおりです」と受け止め、「差し支えなければ、今回見送られる一番の懸念点をお聞かせいただけますか」と尋ねると、本音を話してもらいやすくなります。
断られた理由が、価格なのか、導入する時期なのか、他社との比較なのかも整理しましょう。ただし、切り返しの言葉だけを覚えても十分ではありません。事前に相手の課題を予想し、商談の中で詳しく聞いているからこそ、断られた理由も深く確認できます。
断られた理由を記録し次に活かす
断られた理由は、感覚で終わらせず、その場で記録します。価格、時期、他社比較、決裁者の不在などに分類し、SFA(営業支援システム)や共有の表に残しておきましょう。
記録が積み重なると、どのような理由で断られることが多いのか、商談のどの段階でうまく進まなくなるのかが見えてきます。こうした傾向を次の商談前の準備に活かせば、相手の課題や不安を想定しやすくなります。
営業ができない部下を育てるには、どのような指導が効果的?
部下を育成するときは、OJT・ロールプレイング・同行による実践を繰り返すことに加え、指導する側のスキルを高め、営業の進め方をチーム内で共通化することが大切です。
OJT・ロールプレイング・同行で反復させる
OJT(実際の業務を通じた指導)は、現場を見せるだけでは定着しません。商談前の準備確認、同行、終了後すぐのフィードバック、次回への反映という流れを繰り返すことが大切です。
ロールプレイングでは、実際の失注や受注の事例を題材に、顧客役から断られる場面まで練習します。ただし、指導方法を決めずにOJTを行うと、上司によって教え方が変わり、指導内容にばらつきが出やすくなります。次に説明する営業プロセスの標準化とあわせて進めましょう。
育てる側のスキル不足も補う
部下が育たない原因は、部下だけにあるとは限りません。自分も営業をしながら部下を管理するプレイングマネージャーは忙しくなりやすく、指導の時間を十分に確保できないことがあります。
指導を経験則だけに頼らず、フィードバックの観点をそろえ、何をどう評価するのかを明確にしましょう。マネジメントや指導方法を学ぶ研修の活用も、育成の質の向上につながります。
営業プロセスを標準化する
営業プロセスの標準化とは、成果を出している人の営業方法を、顧客理解、事前の課題予想、提案、商談後のフォローといった段階ごとに整理し、チームで共有することです。確認する項目や記録の書き方を共通にすると、上司は同じ基準で指導しやすくなり、部下も何を目指せばよいのかわかりやすくなります。
質問の型が一人ひとりの営業に役立つ方法だとすれば、標準化はチーム全体で営業の進め方をそろえる取り組みです。SFAなどのツールは、営業方法を決めたうえで活用しましょう。
自社だけで営業の進め方を整えることが難しい場合は、CLF PARTNERS株式会社の営業支援のように、行動科学にもとづいて組織全体の行動改善を支援するサービスを活用する方法もあります。
また、営業プロセスの標準化に加えて、営業戦略を現場で実行できる体制を整えることも重要です。営業戦略の実行やマネジメントについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
まとめ
営業ができないと感じる背景には、顧客の課題を十分に掘り下げられていないことや、断られることへの不安、商談前の準備不足などがあります。改善するには、相手の話を聞き、質問の型を使って課題を整理することが大切です。部下の育成では、OJTやロールプレイング、同行に加え、営業プロセスを共通化し、指導する側の基準をそろえることも重要です。
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