「顧客の本当の課題が見えてこない」
「御用聞き営業から抜け出せない」
「具体的な提案方法が分からない」
このような悩みを抱えるBtoB営業担当者は多いのではないでしょうか。 特に、IT・製造業・人材・不動産など、商材やサービスの複雑性が高い業界において、ソリューション営業の重要性が叫ばれる一方で、その実践には多くの営業担当者が困難を感じています。
顧客のビジネス環境が急速に変化する中、単なる商品説明や価格交渉だけでは、もはや競争力のある提案を行うことは困難です。 特に10名〜500名規模の成長企業や中堅企業では、顧客企業の潜在的な課題を掘り起こし、具体的な解決策を提示できる営業力が求められています。
そこで本記事では、実践的なソリューション営業の進め方について、以下のテーマで詳しく解説していきます。
- ソリューション営業の本質と、現代のビジネスにおける重要性
- 御用聞き営業から脱却するための具体的なアプローチ方法
- 顧客の潜在的課題を引き出すヒアリング手法と仮説構築
- 業界別の成功事例
また、CLF PARTNERS株式会社では、豊富な実績を持つコンサルタントが、新規開拓からアカウント育成まで、実践的なソリューション営業支援を行っております。
- 「営業チームの提案力を強化したい」
- 「新規開拓の成約率を向上させたい」
- 「若手営業の育成を効率化したい」
このような課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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目次
ソリューション営業とは
ソリューション営業とは、顧客との対話を通じて課題やニーズを深く理解し、それに最適な解決策を提案する営業手法です。
従来のような商品説明に重点を置く営業スタイルとは異なり、顧客の視点に立ちながら本質的な課題を見極め、その解決に向けた具体的な提案を行う点が特徴です。
顧客が気づいていない潜在的な課題を掘り起こし、それを事業成長へとつなげる解決策を示すソリューション営業の重要性が一層高まっています。
ソリューション営業は終わった?現在でも通用する?
ソリューション営業は、現代のビジネス環境においてむしろその重要性が増しています。 実際に、株式会社Merの2024年の調査によると、急成長企業の38.5%が「ソリューション型の営業活動への切り替え」を実施し、成果を上げています。
その理由として、インターネットの普及により顧客が容易に情報収集できる時代となった今、単なる商品説明だけでは企業の差別化が難しくなっているからです。
そのため、顧客の潜在的な課題を発見し、本質的な解決策を提案できるソリューション営業の必要性が高まっているのです。
具体例として、同調査では「優秀な営業人材の確保」という課題に対し、33.3%の企業が「営業行動分析に基づく成功パターンの全社展開」を効果的な解決策として挙げています。 また、35.6%の企業が「営業とマーケティングの一体化」を今後の成長施策として検討しています。
このように、ソリューション営業は終わるどころか、データ分析や組織的なアプローチと組み合わせることで、さらなる進化を遂げているのです。
参考:【急成長企業の成功メソッドが判明】約4割が、「ソリューション型営業活動」と「部門構成の見直し」を実践 急成長フェーズで直面した課題やその解決策が明らかに!|PR TIMES
ソリューション営業が注目されている理由
ソリューション営業が注目を集める背景には、ビジネス環境の大きな変化があります。 特に、以下3つの要因がその重要性を高めています 。
- 顧客の情報収集手段の変化
- 高付加価値による差別化の必要性
- DX需要の高まり
それぞれの要因について詳しく見ていきましょう。
顧客の情報収集手段の変化
インターネットの普及により、顧客の情報収集手段が劇的に変化したことが、ソリューション営業が注目される大きな要因です。
実際、BtoB企業における製品やサービスの購入において、企業のWebサイトが最も重要な情報源となり、営業担当者からの直接的な情報提供なしでも、顧客は簡単に情報を収集できる時代となりました。
その結果、従来のように商品スペックや価格を伝えるだけでは、顧客にとって価値のある提案とはならなくなっています。 基本的な製品情報はWebサイトで確認でき、競合との比較も容易に行えるためです。
例えば、トライベック・ブランド戦略研究所の調査によると、BtoBサイトはBtoCサイトに比べ、ターゲット層へのアクセス率や購入検討への影響度が高いことが分かっています。
このように、顧客の情報収集手段の変化に伴い、営業担当者は顧客が自ら気づかない潜在的な課題を発見し、その解決策を提案する能力が求められるようになっています。
高付加価値による差別化
商品やサービスの差別化が難しくなっている現代において、ソリューション営業は企業が競争優位性を築くための重要な手段となっています。 近年、商品の機能や品質が高度に均質化する中で、従来型の営業手法だけでは市場で差別化を図ることが困難になってきました。
その背景には、製品の機能や価格だけでは競合他社との差別化が難しいという現実があります。 特に、顧客が容易に情報を収集できる現代においては、商品スペックの説明や価格競争に依存するだけでは、持続的な成長を実現することはできません。
例えば、顧客の潜在的な課題を発見し、その解決に向けた具体的な提案を行うことで、単なる商品販売を超えた価値を提供することが可能です。
実際、多くの成長企業が顧客との対話を通じて課題を掘り起こし、独自の解決策を提示することで競争力を高めています。
このように、ソリューション営業は単なる営業活動の枠を超え、企業の持続的な成長を支える差別化戦略として重要な役割を果たしています。
DX需要への対応
デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが企業の重要課題となる中、ソリューション営業の重要性が増しています。
PwCの2024年調査によると、日本企業でDXによる「十分な成果」を出せている企業は約9.2%に留まっており、多くの企業が効果的な推進に苦心している状況です。
その背景には、DXが単なるデジタル技術の導入ではなく、企業の事業モデルや業務プロセスの抜本的な変革を必要とすることがあります。 特に、「人材育成・カルチャー変革」「データドリブン経営」「DX原資の確保」といった複合的な課題に直面している企業が多いのです。
例えば、DXに10年以上取り組んでいても、約65%の企業が十分な成果を上げられていません。 この状況下で、顧客の経営課題を深く理解し、包括的な解決策を提案できるソリューション営業の必要性が高まっているのです。
このように、DXの本質的な推進には、技術導入以上の価値を提供できるソリューション営業が不可欠となっています。
ソリューション営業が求められる業界
ソリューション営業は、特に商材やサービスの複雑性が高く、顧客との継続的な関係構築が重要な業界で求められています。 各業界におけるソリューション営業の特徴と求められる理由を詳しく見ていきましょう。
IT業界
IT業界では、システムやツール、Webサイト運営など、形のない無形商材を扱うため、ソリューション営業が特に重要な役割を果たしています。 なぜなら、これらのIT商材は顧客ごとに最適なカスタマイズが必要であり、導入後の運用支援も欠かせないからです。
例えば、業務効率化ツールの導入では、顧客企業の業務フローを理解し、システムの使い方から効果測定まで、包括的なサポートが求められます。
広告・メディア業界
広告・メディア業界では、顧客企業の商品やサービスの価値を最大限に引き出すため、ソリューション営業が必須となっています。
特に近年は、テレビやWeb、SNSなど、媒体の選択肢が多様化しており、顧客企業の目的や予算に応じて最適な広告戦略を提案する必要があります。 また、広告効果の測定や改善提案など、継続的なサポートも重要な役割です。
そのため、単なる広告枠の販売だけでなく、顧客の事業課題を理解し、効果的なプロモーション戦略を提案できる営業力が求められているのです。
人材業界
人材業界では、企業の持続的な成長を支える「人材」という重要な経営資源に関わるため、ソリューション営業が不可欠となっています。
特に「優秀な人材の確保」「採用後の定着率向上」「社員の育成」といった複合的な課題に対して、単なる人材紹介にとどまらない、包括的な解決策の提案が必要です。 また、採用市場の変化や企業の成長フェーズに応じて、最適な人材戦略も変化していきます。
そのため、顧客企業の経営課題を深く理解し、長期的な視点で人材に関する提案ができる営業力が求められているのです。
金融業界
金融業界では、企業の資金調達やM&A、事業承継など、顧客企業の経営に直結する重要な課題に関わるため、ソリューション営業が重要な役割を果たしています。
特に近年は、単なる融資の提案だけでなく、新規事業展開のサポートやビジネスマッチング、経営改善の提案など、金融機関に求められる役割が多様化しています。
また、業界を超えた幅広い知識と、経営者の立場に立った提案力も必要です。 そのため、顧客企業の経営課題を深く理解し、財務面から具体的な解決策を提案できる営業力が求められているのです。
ソリューション営業と他の営業スタイルの違い
ソリューション営業は、「顧客の課題解決」を主眼に置いた営業手法ですが、他の営業スタイルとはどのような違いがあるのでしょうか。 それぞれの営業スタイルには特徴があり、目的や進め方が異なります。
ここでは、主な営業スタイルとの違いを比較しながら、ソリューション営業の特徴を詳しく見ていきましょう。
商品説明型営業との違い
項目 | 商品説明型営業 | ソリューション営業 |
---|---|---|
営業の主軸 | 商品の機能・性能説明 | 顧客の課題ヒアリングと解決提案 |
商談の進め方 | 商品説明→見積→成約 | 課題把握→解決策提案→成約 |
重視するスキル | 商品知識と説明力 | ヒアリング力と提案力 |
商品説明型営業が製品やサービスの機能・特長を直接的に訴求するのに対し、ソリューション営業は顧客の課題に焦点を当て、その解決手段として製品やサービスを提案します。
両者は時として組み合わされることもありますが、商品説明型営業が「何を売るか」を重視するのに対し、ソリューション営業は「どう課題を解決するか」を重視する点で大きく異なります。
アカウント営業との違い
項目 | アカウント営業 | ソリューション営業 |
---|---|---|
対象 | 既存顧客中心 | 新規・既存顧客両方 |
営業の主軸 | 継続的な関係維持と深耕 | 課題発見と解決策の提案 |
提案の範囲 | 自社製品・サービス中心 | 課題解決に必要な幅広い提案 |
アカウント営業が特定顧客との取引拡大と深耕に重点を置くのに対し、ソリューション営業は顧客が抱える課題の解決に焦点を当てた提案を行います。
両者は補完関係にあることも多く、アカウント営業の中でソリューション的なアプローチを取り入れることで、より強固な顧客関係の構築と課題解決の両立が可能となります。
コンサルティング営業との違い
項目 | コンサルティング営業 | ソリューション営業 |
---|---|---|
目的 | 経営課題の包括的な解決 | 特定の課題解決 |
提案範囲 | 業務改革・組織改革など広範囲 | 自社製品・サービスを中心とした解決策 |
提案プロセス | 現状分析→改革提案→実行支援 | 課題把握→解決策提案→導入支援 |
コンサルティング営業が経営全体を見据えた包括的な提案を行うのに対し、ソリューション営業は自社の製品やサービスを活用した具体的な課題解決を提案します。
両者は時として重なる部分もありますが、ソリューション営業の方がより実務的で具体的な成果を重視する傾向にあります。
ソリューション営業の進め方を5ステップで解説
ここでは、ソリューション営業を成功に導くための5つのステップについて、具体的な実践方法を詳しく解説していきます。
- 事前準備と課題仮説の構築
- ヒアリングと課題の深掘り
- 解決策の企画立案
- 提案と価値訴求
- フォローアップ
ステップ①:事前準備と課題仮説の構築
ソリューション営業の出発点は、顧客企業に関する事前分析と仮説課題の構築です。 この準備を丁寧に進めることで、その後のヒアリングや提案の成果が大きく左右されます。 まずは、顧客企業の業界動向や市場環境、事業構造といった基本情報を徹底的に調べます。
決算情報やニュースリリース、業界レポートなどの資料をもとに、現状の市場ポジションや成長戦略を把握することが重要です。 続いて、収集した情報をもとに、顧客が抱える可能性の高い経営課題を具体的に整理します。
例えば、DX化が進む業界における人材不足や、競争環境の中での差別化戦略といった課題が想定されます。 さらに、競合他社と比較することで、顧客企業の強みや弱み、そして市場での差別化ポイントを明確にします。
このプロセスを経ることで、説得力のある提案を行うための基盤が整うのです。
ステップ②:ヒアリングと課題の深掘り
ソリューション営業を成功させるためには、ヒアリングと課題の深掘りが欠かせません。 このプロセスで、表面的な問題の奥にある本質的な課題を明らかにし、最適な解決策を導き出すことが求められます。 はじめに、信頼関係の構築が不可欠です。
対話は業界のトレンドや一般的な話題からスタートし、いきなり課題を掘り下げようとせず、徐々に信頼を築いていきます。 そのうえで、「なぜ」「どうして」を軸とした質問を繰り返し、課題の背景に潜む本質的な問題を明確にしていきます。
また、組織内で実務を担当する人と意思決定を行う人では、課題の捉え方が異なることが多いため、各立場のキーパーソンを見極め、それぞれの視点を把握することが重要です。
下表の5つの観点から課題を体系的に深掘りしていくことで、効果的な解決策の提案につなげることができます。
観点 | 確認ポイント | 主な質問例 |
---|---|---|
役割とミッション | 目標・責任・期待値の把握 | ・現在の立場での目標や責任は? ・目標達成へどの程度の期待がある? |
達成への障壁 | 阻害要因と影響範囲の特定 | ・目標達成を困難にする要因は? ・どの業務プロセスで顕著に? |
影響度 | 時間的・金銭的損失の定量化 | ・どの程度の時間やコストが発生? ・現場の不満度は? |
現状の対応策 | 既存の取り組みと効果 | ・現在の対策内容は? ・その効果はどの程度? |
改善ニーズ | 理想状態と現状とのギャップ | ・対策の不足点は? ・理想的にはどんな状態? |
ステップ③:解決策の企画立案
ソリューション営業の核となるのが、顧客の課題に対する具体的な解決策の企画立案です。 この段階で、ヒアリングで得た情報をもとに、実効性の高いソリューション案を練り上げていきます。
具体的な企画立案では、まず顧客の課題に対して複数の解決アプローチを検討しましょう。 その際、自社の製品やサービスをどのように活用すれば最大の効果が得られるのか、実現可能性とともに慎重に検討していきます。
想定される効果は、以下のような具体的な数値で示すことが重要です。
- 業務効率が20%向上し、年間約1,000万円のコスト削減
- 営業の商談件数が1人あたり月10件増加し、売上15%アップ
- 在庫回転率が2倍に改善し、保管コストを年間500万円削減
このように、顧客の課題、解決手段、期待効果を具体的な数値で示すことで、提案の価値をより分かりやすく伝えることができます。
ステップ④:提案と価値訴求
ソリューション営業では、顧客の課題を深く理解し、それを解決する具体的な道筋を示すことが成功のポイントです。 特に、顧客が導入後の未来をイメージできるよう、解決策を具体的に提示することが重要です。
以下のように、解決策をステップで説明すると、提案の実現可能性をより強く訴求できます。
ステップ1:システム導入(1か月以内)
初期設定や導入スケジュールを明確にし、顧客が開始時点での手間を把握できるようにする
ステップ2:社内研修実施(導入後2週間)
導入後の活用方法を学ぶ研修を実施し、スムーズな運用をサポート
ステップ3:運用効果の定量化と改善提案(導入後3か月後)
実際の効果を数値で測定し、必要に応じてさらなる最適化案を提示
これらのステップを提示することで、顧客は「どのように導入が進むのか」「どれだけ具体的な成果が得られるのか」を明確に理解できます。
また、提案に説得力を持たせるためには、同業他社の成功事例を活用したり、課題解決のシナリオを提示したりすることも効果的です。
ステップ⑤:フォローアップ
ソリューション営業を成功に導くポイントは、提案後のフォローアップです。契約締結後も顧客との関係を深め続け、新たな価値を提供し続けることが不可欠です。 導入後には、提案した解決策が期待通りの成果を上げているかを定期的に検証します。
もし成果が不十分であれば、その原因を精査し、必要に応じて改善策を提案します。 さらに、顧客との対話を継続する中で新たな課題を発見し、追加のソリューションを提案する機会を見出すことができます。
例えば、成功した事例を他の部署に展開したり、関連性の高い新しいソリューションを提案したりすることが考えられます。 こうしたフォローアップを重ねることで顧客との信頼関係を深め、長期的なパートナーシップを構築することが、ソリューション営業の本質的な目標です。
ソリューション営業に必要なスキル
ソリューション営業の成功には、必要不可欠なスキルが存在します。 顧客の課題を正確に把握し、最適な解決策を提案するには、「仮説設定力」「ヒアリング力」「企画提案力」の3つが極めて重要です。
ここからは、それぞれのスキルについて具体的な内容を掘り下げ、実際の活用方法を詳しく説明していきます。
仮説設定力
ソリューション営業の生産性を高めるために不可欠なのが、仮説設定力です。 顧客との商談前に、その企業が直面している可能性が高い課題を予測し、解決の方向性を事前に構築する能力が重要となります。
仮説設定力が必要な理由は、限られた商談時間を最大限に活用し、より深い課題の発見と解決策の提案につなげるためです。 事前の仮説がなければ、表面的な会話に終始してしまう可能性が高くなります。
例えば、製造業の顧客であれば「人手不足による生産性の低下」「デジタル化の遅れ」といった業界共通の課題を仮説として準備し、そこから顧客固有の状況を掘り下げていきます。
この仮説を起点に、より具体的な課題の特定と解決策の提案が可能となります。 このように、適切な仮説設定は効果的なヒアリングと提案につながり、ソリューション営業の成功確率を高める重要な要素となるのです。
ヒアリング力
ソリューション営業の成否を決める最も重要なスキルが、ヒアリング力です。 単に顧客の話を聞くだけでなく、課題の本質を引き出し、真のニーズを理解する能力が求められます。 効果的なヒアリングには、まず顧客との信頼関係構築が不可欠です 。
顧客がリラックスして本音を話せる環境を作り、対話を通じて潜在的なニーズや課題を引き出していきます。
例えば、「売上を上げたい」という表面的な課題に対して、「なぜ売上が伸びないのか」「どのような取り組みをしているのか」といった質問を重ねることで、「営業プロセスの非効率さ」という本質的な課題が見えてくることがあります。
このように、表面的な会話から一歩踏み込み、顧客の真の課題を理解することで、より効果的なソリューションの提案が可能となるのです。
企画提案力
ソリューション営業において重要なスキルの一つが、企画提案力です。 顧客の課題に対して具体的で実現可能な解決策を設計し、説得力のある形で提案する能力が不可欠です。
この能力が重要な理由は、顧客が抱える課題は複雑で、単なる製品説明だけでは解決策を示すことができないからです。 顧客の業界特性や経営環境を踏まえた上で、具体的な投資対効果や導入までのプロセスを含めた提案が必要となります。
例えば、業務効率化を課題とする顧客に対して、「システム導入により30%の工数削減が可能」「初期投資は半年で回収」「3ヶ月での段階的な導入計画」といった具体的な数値とプロセスを示すことで、提案の実現可能性と効果を明確に伝えることができます。
このように、顧客の課題を解決するための具体的なシナリオを描き、それを分かりやすく提示できる企画提案力が、ソリューション営業の成功には欠かせないのです。
ソリューション営業の具体例3選
ソリューション営業は、多様な業界で具体的な成果を生み出しています。
今回は、「顧客満足度の向上」「営業組織の改革」「働き方改革」という3つの異なる課題に対して、それぞれの企業がどのようなアプローチでソリューションを実現したのかを、具体例を交えながら解説します。
アンケートシステムを導入し高い顧客満足度を創出|株式会社ビームスホールディングス
セレクトショップのBEAMSは、顧客満足度向上のためアンケートシステムを戦略的に導入しました。 特徴的なのは、購入顧客だけでなく非購入顧客からもフィードバックを収集し、より包括的な顧客ニーズの把握を実現した点です。
さらに、社内コミュニケーションの課題に対しては、メール中心だった情報共有を社内SNSの導入により改善。日々のコーディネート情報の更新など、カジュアルで双方向のコミュニケーションを実現しました。
このように、顧客との接点強化と社内の情報共有改善という両面からのアプローチにより、より高い顧客満足度の創出に成功しています。
営業職5000人の”見える化”で組織改革を実現|富士ゼロックス株式会社
富士ゼロックスは、5000人の営業職の戦力を可視化するため、全社的なパーソナリティ検査(OPQ)を実施しました。 この取り組みでは、単なる検査の実施だけでなく、「自己認識シート」の開発やマネージャー向けのフィードバック研修も併せて行いました。
その結果、個々の営業担当者の強みや適性が明確になり、それに基づく育成施策の立案が可能になりました。
さらに、マネージャーの育成意識が向上し、部下との効果的なコミュニケーションも実現。データに基づく科学的な営業管理と人材育成の仕組みを構築することに成功しています。
メガネで社員の集中力を可視化し働き方改革を実現|株式会社ジェイアイエヌ
ジェイアイエヌは、独自開発のセンシング・アイウエア「JINS MEME」を活用した企業向けソリューションを展開しています。 このメガネは、三点式眼電位センサーと六軸センサーで社員の視線移動やまばたきを検知し、集中度を可視化します。
さらにWeb電話帳との連携により、効率的な社内コミュニケーションを実現 Apple Watchと連動し、最適な休憩タイミングを通知する機能も備えています。
実証実験では、1日の集中時間が15分増加し、年間61時間の生産性向上が確認されるなど、働き方改革の効果を定量的に測定・改善できる画期的なソリューションとして評価されています。
まとめ|ソリューション営業で顧客の本質的課題を解決し、競争優位性を確立しよう
ソリューション営業は、顧客との対話を通じて本質的な課題を理解し、最適な解決策を提案する営業手法として、その重要性が増しています。
特に、IT・製造業・人材・不動産など、商材やサービスの複雑性が高い業界において、顧客の潜在的課題を掘り起こし、具体的な解決策を示す営業力が求められています。
実践においては、事前準備と課題仮説の構築、ヒアリングと課題の深掘り、解決策の企画立案、提案と価値訴求、フォローアップという5つのステップを着実に実行することが成功のポイントです。
さらに、ヒアリング力、企画提案力、仮説設定力といった専門的なスキルの習得・向上が不可欠です。 これらのポイントを押さえることで、競争力のある提案活動を実現し、顧客との長期的なパートナーシップを構築することができます。
しかしながら、実践的なソリューション営業のノウハウを習得し、組織全体の営業力を強化するためには、専門的な支援が不可欠です。
CLF PARTNERS株式会社では、豊富な実績を持つコンサルタントが、新規開拓からアカウント育成まで、実践的なソリューション営業支援を行っております。
- 「営業チームの提案力を強化したい」
- 「新規開拓の成約率を向上させたい」
- 「若手営業の育成を効率化したい」
このような課題をお持ちの方は、ぜひCLF PARTNERS株式会社にご相談ください。
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この記事の監修者
CLF PARTNERS株式会社
代表取締役社長 松下 和誉
大学卒業後、大手総合系コンサルティングファームに入社。最年少で営業マネジャーに就任。中小企業から大手企業まで幅広くコンサルティング業務を実施。また、文部科学省からの依頼を受け、再生機構と共に地方の学校再生業務にも従事。 その後、米Digital Equipment Corporation(現ヒューレットパッカード)の教育部門がスピンアウトした世界9ヵ国展開企業のJAPAN営業部長代行として国内の最高売上に貢献。 現在は関連会社12社の経営参画と支援を中心に、グループの軸となるCLF PARTNERS㈱ではVC出資ベンチャー企業、大企業の新規事業の支援に従事
公式Xアカウント:https://x.com/clf_km