「SaaSをリリースしたばかりでどのように営業を展開していけば良いのか分からない」
「適切な戦略を選択できず悩んでいる」
このような課題を抱えるSaaS企業の経営者や営業責任者は少なくありません。 優れた製品やサービスを開発しても、それを効果的に顧客に届け、市場での地位を確立することは容易ではありません。
現代のSaaS市場では、製品の優位性だけでなく、リリース初期からの適切な営業戦略の立案と実行が、成功を左右する重要な要素となっています。
本記事では、「SaaS企業の営業戦略」に焦点を当て、特にリリース初期の企業が直面する課題に対応するため、以下のテーマについて詳しく解説していきます。
- SaaS市場の現状と成長予測
- PLGとSLGの違いと適した営業戦略
- SaaS企業の営業戦略立案方法
- SaaS企業の販売チャネル
- 営業戦略を成功させるためのポイント
- 実際の成功事例
本記事の内容を参考に自社の営業戦略を見直す際、さらなる専門的なサポートが必要と感じた場合は、ぜひ弊社「CLF PARTNERS株式会社」の営業支援サービスをご検討ください。
SaaS企業に特化した戦略立案から実行支援まで、リリース初期の企業様も含め、幅広くサポートいたします。
目次
SaaS市場の現状と成長予測
SaaS市場は急速に成長を続けており、その勢いが今後も衰える兆しは見られません。 総務省の調査では、国内SaaS市場が2025年度までに約1兆円規模に達するとの予測が出されています。 この成長の背景には、企業によるデジタル化の推進やリモートワークの普及が挙げられます。
さらに、新型コロナウイルス感染症の影響で多くの企業がクラウドベースのソリューションを導入し、その採用スピードが加速しました。 世界に目を向けると、2021年のパブリッククラウドサービス市場は35兆円を超え、前年比27.9%増という著しい成長を遂げています。
中でもPaaS市場の伸びが顕著で、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える要となっています。 この流れは、IT業界に限らず、製造業などの従来型産業にも大きなビジネスチャンスを提供しているといえるでしょう。
参考:令和4年版 情報通信白書
SaaS企業ではPLGとSLGかによって最適な営業戦略が変わる
SaaS企業の営業戦略を考える上で、PLG(Product-Led Growth)とSLG(Sales-Led Growth)は非常に重要な概念です。
これらのアプローチは、製品の特性や顧客層に応じて選択され、それぞれに適した営業戦略が求められます。 本節では、PLGとSLGの特徴について詳しく解説していきます。
PLG (Product-Led Growth) とは
PLG(Product-Led Growth)とは、製品自体を成長の主要ドライバーとする戦略です。 この手法では、優れたユーザー体験を通じて、顧客獲得、維持、そして拡大を実現します。 PLGの核心は、ユーザーが製品の価値を素早く実感できる点です。
そのため、無料トライアルやフリーミアムモデルを採用し、ユーザーに低リスクで製品を試す機会を提供します。 SlackやZoomが取り入れた営業戦略は以下の通りです。
SlackのPLG戦略
- フリーミアムモデルの採用:無料版で基本機能を提供し、ユーザーに価値を体験させる
- ビラルループの構築:既存ユーザーが新規ユーザーを招待する仕組みを組み込み、自然な成長を促進
- インテグレーションの充実:多数のサードパーティアプリとの連携を可能にし、製品の有用性を高める
- 使いやすいUI/UX:直感的な操作性により、ユーザーの自発的な利用を促進
ZoomのPLG戦略
- 無料プランの提供:40分までの会議を無制限に開催できる無料プランで、ユーザーに価値を実感させる
- クロスプラットフォーム対応:PC、モバイル、ブラウザなど、様々な環境で利用可能にし、アクセシビリティを向上
- シンプルな操作性:URLクリックだけで会議に参加できる簡便さにより、初心者でも容易に利用開始できる
- 段階的な機能拡張:無料版から有料版へのアップグレードパスを明確にし、自然な収益化を図る
この戦略は、従来のセールス主導型成長(SLG)と比べ、顧客獲得コストを大幅に削減できる利点があります。 しかし、PLGの成功には、継続的な製品改善と顧客フィードバックの迅速な反映が不可欠です。
ユーザーの行動データを分析し、常に製品価値を高めていく努力が求められます。
SLG (Sales-Led Growth)とは
SLG(Sales-Led Growth)とは、営業活動を中心に据えた成長戦略です。 この手法では、熟練した営業チームが顧客獲得と収益拡大の主要な推進力となります。 SLGモデルでは、営業担当者が見込み顧客を特定し、製品やサービスの価値を直接説明するのが特徴です。
そして、顧客のニーズを深く理解し、カスタマイズされたソリューションを提案することで、成約率を高めます。 例えば、Salesforceで取り入れている戦略は、以下の通りです。
- バーティカル特化型アプローチ:金融、小売、製造業など、業界ごとに特化したソリューションを提供
- ソリューションセリング:製品の機能だけでなく、顧客のビジネス課題を解決する包括的なソリューションを提案
- カスタマーサクセスの重視:導入後のサポートや活用支援に力を入れ、顧客の長期的な成功を支援
- デモンストレーションの活用:顧客の具体的な業務に基づいたカスタマイズされたデモを提供
この戦略は特に、複雑な製品や高額なエンタープライズ向けソリューションに適しています。 また、顧客との強い関係性を構築できるため、長期的な顧客維持にも有効です。
一方で、SLGは人的リソースに依存するため、顧客獲得コストが高くなる傾向があります。 そのため、適切な営業プロセスの確立や効率的なリード管理が不可欠です。
SaaS企業の営業戦略の種類
SaaS企業の営業戦略は、主にエンタープライズ営業とSMB営業の2つです。 エンタープライズ営業は大企業を、SMB営業は中小企業をターゲットとしています。
どちらに注力するかは、自社のサービス特性や市場環境に応じて選択し、選んだ戦略の中で「拡大型」か「絞り込み型」のアプローチを取ります。 各営業戦略について詳しくみていきましょう。
エンタープライズ営業
エンタープライズ営業は、SaaS企業が大企業を対象に展開する、規模拡大型の営業戦略です。 この戦略では、高い顧客単価と長期的な関係構築を目指し、多くのSaaS企業が成長戦略として採用しています。
その理由として、大企業は豊富な経営資源を有し、大規模な導入が可能である点が挙げられます。 さらに、一度契約を獲得すれば、他部署への展開や追加サービスの提供など、顧客内でのさらなる拡大が期待できるのも大きな魅力です。
具体的には、専門的な知識を持つ営業チームが、顧客の複雑なニーズに対応したカスタマイズ提案を行います。 例えば、全社的なデジタル変革を支援するSaaSツールの導入においては、経営層との直接交渉や長期的なロードマップの策定が不可欠です。
このように、エンタープライズ営業は多くの時間と労力を必要としますが、成功すれば安定した大口顧客の確保につながり、SaaS企業の持続的な成長を支える重要な戦略となります。
SMB営業
SMB営業は、SaaS企業が中小企業を対象に展開する、絞り込み型の営業戦略です。 中小企業は意思決定が早く、導入のハードルも比較的低いため、効率的に成約に結びつけやすいという特徴があります。
また、特定の業界や課題に特化したSaaSツールを提供することで、ニッチな市場においても強固な顧客基盤を構築することが可能です。 具体的には、オンラインマーケティングやインサイドセールスを活用して、大量のリードを効率的に獲得し、育成します。
SMB営業の具体例は、以下の通りです。
SaaSの種類 | 提案内容 | 特徴 |
---|---|---|
飲食店向け予約管理システム | オンライン予約の一元管理と顧客データ活用 | ウェビナーやSNS広告で集客、無料トライアルで価値訴求 |
フリーランス向け会計ソフト | 請求書作成から確定申告までの一括管理 | オンライン広告とブログマーケティングでリード獲得、月額課金制で導入障壁を低く |
小売店向けPOSシステム | 在庫管理と売上分析の効率化 | デモ動画とオンラインチャットサポートで簡単導入、業界特化型の機能で差別化 |
SMB営業は短期間で多数の顧客を獲得できる可能性が高い一方、顧客維持にもしっかりと取り組む必要があります。 適切に実行すれば、安定した収益基盤を築くことができ、SaaS企業の成長を加速させる重要な戦略となります。
SaaS企業の営業戦略立案のステップ
本節では、SaaS企業が成功するための営業戦略立案のステップを詳しく解説します。
- 営業目標・KPIの設定
- 市場調査(市場・自社・製品)
- ターゲットを設定
- ターゲットごとのアプローチ方法の策定
- 活動指針・施策を決定
営業目標・KPIの設定
SaaS企業の営業戦略を立案する際、まず重要なのは、明確な営業目標とKPIの設定です。 具体的な数値目標を持つことで進捗管理がしやすくなり、組織全体での意識統一が図れます。
また、適切なKPIを設定することで、目標達成に向けた具体的なアクションプランがより明確になります。 具体的な目標とKPIの例は、以下の通りです。
目標 | KPI |
---|---|
新規顧客獲得 | 月間獲得顧客数、商談化率 |
既存顧客の利用拡大 | アップセル率、顧客あたりの平均収益 |
チャーンレート低減 | 月間解約率、顧客満足度スコア |
このように、明確な目標とKPIを設定することで、営業活動の方向性が定まり、効果的な戦略を立案できるようになります。
市場調査(市場・自社・製品)
SaaS企業の営業戦略立案において、綿密な市場調査は不可欠です。 市場調査が重要な理由は、急速に変化するSaaS業界において、最新の情報に基づいた意思決定が成功の鍵となるからです。
また、自社と競合他社の比較分析により、独自の強みを明確にできます。 具体的な調査項目として、以下が挙げられます。
調査対象 | 調査内容 |
---|---|
市場 | 市場規模、成長率、主要プレイヤー |
自社 | 現在の市場シェア、強み・弱み分析 |
製品 | 競合製品との機能比較、顧客評価 |
このような市場調査を通じて、自社製品の市場における位置づけや、潜在的な成長機会を特定できます。 さらに、顧客ニーズの変化や新たな技術トレンドも把握できるため、より的確な営業戦略の立案が可能になります。
ターゲットを設定
SaaS企業の営業戦略立案において、明確なターゲット設定は成功の鍵となります。 適切なターゲットを定めることで、限られたリソースを効果的に配分し、最大の成果を上げることが可能です。
ターゲット設定が重要な理由は、SaaS市場が多様であり、競争が非常に激しいからです。 全ての顧客層に同じアプローチを取ることは非効率的で、特定のセグメントに焦点を絞ることで、より効果的なマーケティングと営業活動が実現できます。
例えば、中小企業向けの会計SaaSの場合、「年商1億円以上、従業員50人以下の製造業」といった具体的なターゲット設定が考えられます。 これにより、ターゲットの課題や導入障壁を的確に把握し、効果的な提案が可能です。
適切なターゲット設定は、商談成約率の向上や顧客満足度の向上に寄与し、SaaS企業の持続的な成長を支える重要な戦略となります。
ターゲットごとのアプローチ方法の策定
SaaS企業の営業戦略において、ターゲットごとに最適化されたアプローチ方法を策定することは極めて重要です。 このアプローチが重要な理由は、SaaS市場における顧客の多様性にあります。
企業規模や業種、導入目的によって、求められる機能や導入プロセスが大きく異なるため、画一的なアプローチでは十分な成果を得られません。 具体的なアプローチ例として、以下が挙げられます。
ターゲット | アプローチ方法 | 重視すべき点 |
---|---|---|
スタートアップ | フリーミアムモデル | 迅速な導入と拡張性 |
中小企業 | オンラインデモと無料トライアル | コスト効率と使いやすさ |
大企業 | 対面営業とカスタマイズ提案 | セキュリティと他システム連携 |
このように、ターゲットごとに最適化されたアプローチを策定することで、顧客のニーズに的確に応え、信頼関係を構築できます。
活動指針・施策を決定
SaaS企業の営業戦略を立案する際、明確な活動指針と具体的な施策を決めることは極めて重要です。 急速に変化するSaaS市場では、組織全体が共通の目標に向かって進むことで、成功がより確実になるでしょう。
また、明確な指針があることで、個々の営業担当者の行動方針もはっきりし、パフォーマンスの向上に繋がります。
例えば、「顧客成功を最優先する」という指針のもと、「月1回の顧客レビュー会議の実施」や「NPS(顧客推奨度)の四半期ごとの測定」といった具体的な施策を導入することが考えられるでしょう。
このように、活動指針と施策を明確に決めることで、SaaS企業の営業活動に一貫性と効果が生まれます。
SaaS企業の販売チャネル
SaaS企業が成長を加速させるためには、効果的な販売チャネルの選択と活用が不可欠です。 本節では、SaaS企業が採用できる主要な販売チャネル3つを紹介します。
- 直接販売
- 代理店販売
- Webコンバージョン
直接販売
SaaS企業にとって、直接販売は最も基本的かつ重要な販売チャネルです。 この方法では、自社の営業チームが顧客と直接対話し、製品やサービスを提供します。 直接販売の重要性は、顧客のニーズを深く理解し、迅速にフィードバックを得られる点にあります。
また、製品の特徴や価値を正確に伝えることができるため、特に複雑なSaaSソリューションの販売に効果的です。
例えば、エンタープライズ向けのCRMソフトウェアを提供するSaaS企業では、専門知識を持った営業担当者が顧客企業を訪問し、デモンストレーションを行いながら、顧客固有の課題に対するカスタマイズ提案を行います。
しかし、リリース初期には、経験豊富な外部営業リソースを活用することで、迅速な市場参入と効率的な顧客獲得が可能になるため、このアプローチも推奨されます。
代理店販売
代理店販売は、SaaS企業の成長戦略における重要な販売チャネルの一つです。 代理店販売が有効な理由は、販売網を急速に拡大できることや、特定の市場へ迅速に参入できることにあります。
さらに、代理店の既存顧客基盤を活用することで、新規顧客獲得にかかるコストを抑えることができます。 しかし、「自社で売れないものを他社が売ることはできない」という原則を忘れてはいけません。
まずは自社での直接販売を通じて、製品の価値提案や販売プロセスを確立し、成功事例を蓄積することが不可欠です。 その上で代理店を活用すれば、SaaS企業は効率的に市場シェアを拡大し、持続的な成長を実現できるのです。
Webコンバージョン
Webコンバージョンは、デジタルマーケティングを活用して見込み客を獲得し、最終的に顧客へ転換させる手法です。 低コストで広範なリーチを実現でき、自動化されたプロセスにより、24時間365日の顧客獲得が可能となります。
具体的には、最適化されたランディングページの作成、効果的なWeb広告の展開、ウェビナーの開催、価値あるホワイトペーパーの提供などを通じてリードを獲得します。
Webコンバージョンは直接販売の一形態ですが、従来の営業主導のアプローチとは異なり、マーケティングチームが中心となって推進されます。 この戦略を効果的に実行することで、SaaS企業は持続的な成長と効率的な顧客獲得を達成できるのです。
SaaS企業の営業戦略を成功させるためのポイント
本節では、SaaS企業が営業戦略を成功に導くための重要なポイントを3つ解説します。
- 営業部以外も巻き込んでプロセスやKPIを策定する
- カスタマーサクセスに注力する
- フリーミアムモデルの活用
営業部以外も巻き込んでプロセスやKPIを策定する
SaaS企業の営業戦略を成功させるためには、営業部門だけでなく、マーケティングやカスタマーサクセス部門も巻き込み、プロセスやKPIを策定することが重要です。
この横断的なアプローチが有効な理由は、顧客のライフサイクル全体を通じて一貫した体験を提供できるからです。
例えば、マーケティング部門と連携しリードの質を高め、カスタマーサクセス部門と協力して顧客の長期的な成功を支援するKPIを設定することが考えられます。 具体的には、「マーケティング起点の商談化率」などが挙げられます。
このように、全社的な視点でプロセスやKPIを策定することで、顧客獲得から維持、そして成長に至るまでの一貫したアプローチが可能になります。
カスタマーサクセスに注力する
SaaS企業の営業戦略を成功させるためには、カスタマーサクセスに注力することが極めて重要です。 カスタマーサクセスが重視される理由は、SaaSビジネスモデルにおいて顧客の継続利用が収益の基盤となるためです。
具体的には、以下のような施策を通じて、顧客が製品から最大限の価値を得られるよう支援します。
- 定期的なユーザーレビュー会議の開催(月次や四半期ごと)
- ユーザー向けのオンラインナレッジベースやFAQの整備
- 定期的な顧客満足度調査の実施とフィードバックの収集
例えば、月次のユーザーレビュー会議では、利用度を高めるための具体的なアドバイスを提供し、レポートを通じて利用状況を可視化します。
このように、カスタマーサクセスに力を入れることで、長期的な顧客関係を構築し、リテンション率の向上と顧客生涯価値の最大化を図ることが可能です。
フリーミアムモデルの活用
フリーミアムモデルの活用は、SaaS企業の営業戦略を成功に導く重要なポイントの一つです。 このモデルでは、基本機能を無料で提供してユーザーベースを拡大し、その後、有料プランへのアップセルを通じて収益化を図ります。
フリーミアムが効果的な理由は、導入障壁を下げることで多くのユーザーを獲得でき、製品の価値を実感してもらえるからです。
例えば、クラウドストレージサービスが基本容量を無料で提供し、追加容量や高度なセキュリティ機能を有料プランで提供するケースが挙げられます。 ユーザーは無料版で便利さを実感し、必要に応じて有料版にアップグレードします。
このアプローチにより、幅広いユーザー層を獲得しつつ、真に製品の価値を認める顧客からの収益を確保できるでしょう。
SaaS企業の営業戦略成功事例
本節では、実際のSaaS企業が実践し、目覚ましい成果を上げた営業戦略の成功事例を紹介します。
新規受注の大幅な増加や顧客獲得数の倍増など、具体的な数字とともに、それぞれの企業がどのようなアプローチを取り、どのような課題を乗り越えたかを詳しく解説します。
株式会社リンク:新規受注0から新規年間受注金額2,200万円UP
出典:株式会社リンク
業種 | セキュリティプラットフォーム事業 |
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課題 | 成果を出す仕組みの属人化、売上と顧客満足度の向上 |
結果 | 新規年間受注金額2,200万円UP |
株式会社リンクの事例は、SaaS企業が直面する典型的な成長の壁を克服した好例です。 同社は、少人数での立ち上げから脱却し、組織的な成果創出を目指していました。 この課題に対し、採用・教育の強化と組織再構築に取り組むとともに、外部の客観的視点を導入。
その結果、マーケティングやセールス、組織運営など多角的な改善が進み、社内コミュニケーションが活性化し、成果を生み出す好循環が生まれました。 この取り組みを通じて、新規受注ゼロの状態から年間2,200万円の受注増を実現。
特筆すべきは、この2,200万円がサブスクリプションモデルによるものであり、翌年以降も継続的な収益が見込まれる点です。 これにより、SaaS事業の成長モデルを確立し、組織の強みと弱みの明確化にもつながっています。
株式会社JTBビジネス トラベルソリューションズ:営業の型化支援により獲得社数は前年比で2倍強
出典:株式会社JTBビジネス
業種 | ITサービス |
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課題 | チーム拡大に伴う営業の型化の必要性 |
結果 | 獲得社数前年比2倍強、営業収入額過去最高 |
株式会社JTBビジネス トラベルソリューションズは、経費精算システム「J’sNAVI NEO」を展開するSaaS企業です。 同社は、チーム拡大に伴い営業の型化が必要となり、外部コンサルタントの支援を受けました。
約1年半の支援期間中、営業マニュアルの作成や商談同席によるフィードバック、販売戦略立案などを実施。その結果、営業スキルの向上と基本の定着、数字への意識向上が見られました。
具体的な成果として、獲得社数が前年比で2倍強に増加し、営業収入額も過去最高を記録。 この事例は、体系的な営業プロセスの確立が、SaaS企業の成長に大きく寄与することを示しています。
まとめ|SaaS企業の営業戦略を強化し、持続的な成長を実現しよう
本記事では、SaaS企業における効果的な営業戦略の立案方法や、成功のためのポイント、さらに実際の成功事例について詳しく解説しました。 SaaS企業特有の課題として、急速に変化する市場環境への適応や、適切な販売チャネルの選択が挙げられます。
しかし、PLGとSLGの適切な使い分け、明確な目標設定、カスタマーサクセスへの注力など、戦略的なアプローチを実行することで、競争力を強化し、持続的な成長を実現することが可能です。
この記事を参考に、自社の営業戦略を見直し、さらなる成長を目指すためのヒントを掴んでいただければ幸いです。
特に、SaaS企業に特化した営業支援をお考えの方は、リリース初期の企業も含め幅広くサポートしている弊社「CLF PARTNERS株式会社」のサービスをご検討ください。
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この記事の監修者
CLF PARTNERS株式会社
代表取締役社長 松下 和誉
大学卒業後、大手総合系コンサルティングファームに入社。最年少で営業マネジャーに就任。中小企業から大手企業まで幅広くコンサルティング業務を実施。また、文部科学省からの依頼を受け、再生機構と共に地方の学校再生業務にも従事。 その後、米Digital Equipment Corporation(現ヒューレットパッカード)の教育部門がスピンアウトした世界9ヵ国展開企業のJAPAN営業部長代行として国内の最高売上に貢献。 現在は関連会社12社の経営参画と支援を中心に、グループの軸となるCLF PARTNERS㈱ではVC出資ベンチャー企業、大企業の新規事業の支援に従事
公式Xアカウント:https://x.com/clf_km